034 あーたね、悪女の深情け、ってご存知かしら?

 悪女の深情け、という言葉をご存知でしょうか。男をたぶらかして破滅させてしまうような、わる~いオンナほど深い情愛があるのよ、という意味じゃございません。器量が悪いオンナってのは嫉妬深くてやんなっちゃうね、って意味です。わたしの持っている国語辞典では、ありがた迷惑、なんて意味も書いてありました。がっくし。

 自分に自信がないと、お付き合いしている相手の行動が気になって気になって、異性と話してるだけでヒューヒューおまえら付き合ってるんだろー、なんてからかったり……って小学生かっ! こういうノリ突っ込み、ダチョウ倶楽部は上手いですよね。芸歴長いだけあります。

 ひるがえって、悪男という言葉は滅多に見かけません。悪党ならありますから、昔も今も、この手の人は徒党を組むのが自然なふるまいなのでしょう。あっ、悪人ならあるか。英語でもMANは人と男性の両方の意味を兼ねてますから、日本でも似たような感覚が潜んでいるのでしょうか。

 生物的には女性が先にあって、男性に枝分かれしています。しかし雌雄両方の性別を持っている生き物や、みっつ以上の性別にわかれている生き物もいるので、性別がふたつというのはあくまで人間的な尺度。数だけで言えば、ヒトより昆虫の方がずっと多いですから、これだけ文明が発達して人口が増えても、種としてはまだまだです。

 サルが進化してヒトになったという、ダーウィンの進化論は有名ながら、アメリカでは宗教上の理由から教えるのを禁じている学校もあると聞きます。キリスト教では人は神に似せて作ったとされていますから、そこに疑問を抱かれちゃ困るわけですよ。ナザレのイエスと神と精霊は三位一体だって、長い時間、偉い人たちが喧々諤々した末に、せっかく決めたんですからね。実は何百年も昔の人も、困ってたって証なんですけど。

 ちなみにダーウィン賞という、バカな死に方をした人に贈られる賞のほとんどは男性が受賞しています。一応、遺伝子を残すにあたって自らそれに値しないと判断して亡くなっていった、自己犠牲精神をたたえて云々とかのお題目もありますが、そのあたりは皮肉ですね。女性で酔っぱらったあげく、を閃いて、それを実行した末に亡くなるなんてケースは実際耳にしません。

 人類が大陸を移動したのは、弱者が群れをはじき出されて、泣く泣く移動せざるを得なくなったせいなのだとか。安全な土地を捨ててまで、未開の地へ移住する必要ないですから。勇敢な冒険心のたまものじゃない。成功者しか生き残れなかったと考えると、霊長類の繁栄の陰には、死屍累々でございます。

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