023 手巻き式の懐中時計には、ルビーが使われている
時よ止まれーッ! ザ・ワールド! バァァァーン! まぁたディオで始まってしまいました、すいません。いい年して、こういうごっこ遊びが好きなわたしです。
ここのところ、懐中時計が自分の中でプチブームとなっております。どんなものが好きかというと、内部の機構が見えるタイプ。これ一択です。自分用のものは、すべて内部が透けて見える、手巻き式のもの。
なにせ今や、パソコンにも携帯電話にも、テレビにだって時計はついています。部屋には壁掛け時計もあります。わざわざ新しいものを手に入れなくなっていいのです。それに正確な時間を知りたければ、電波時計にすればよろしい。針が遅れたり、早くなったりするリスクがないのは、時刻を知りたいという欲求にドンピシャです。
ところでわたくし、時計のコチコチいう音があまり好きではありません。どうせ置くなら静音タイプがいい。クオーツは文字通り水晶で、電圧をかけることで水晶を振動させ、その振動数で時を刻んでいます。もっと正確に時間をはかれる、原子時計なんてものもありますね。
以上のデメリットがあるにもかかわらず、手巻き式のコチコチうるさい懐中時計が好みなのです。小さな歯車が重なり合い、忙しく回転しながら動いているのを眺めていると、時間を忘れます。時計なのに。
振動する振り子の軸には、とっても小さな赤いルビーが使われています。これは耐久性を高めるため。稼働中は常に振動していますから、削れたり錆びたりしてダメになるので、わざわざ宝石をつかっています。といっても安いものは人工ルビーを使っているはずです。高級時計と廉価品の違いのひとつです。時計自体が小さなパーツの寄せ集めですから、目を凝らしてみないと良し悪しはわかりにくいので、基本的に自慢するためか、持ち主の自己満足の世界ですね。時間を知りたければ、数十万円もお金を出さなくたって、十分機能を満たすものが買えますから。
それに、パッと見だとそこまでわかりませんし。
マニアというのはそういうもので、わかる人が見なければわからない、細かい部分を大切にします。これが大局に生きてくるからです。数百万円するような高級時計は、一代限りのものではありません。孫のそのまた孫の世代まで、きちんとメンテナンスしてあげればしっかり動くようにできています。受け継がれるべき遺産なのです。
断捨離なんて言葉があります。ものを持たず、シンプルに生きる。それは一代で終わってしまう家や個人だから。お金持ちは、資産を次の世代へと残して世を去る。そのため、自分の人生だけで完結するものだけでなく、長いスパンで考えるということをしているのです。
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