019 Windows付属のメモ帳で上書き保存は『Ctrl+S』

 前回の補足。人形は増殖する、と書いたので、その続きです。といっても、この話だけ読んでも問題ありません。このエッセイというか雑談、読み切りですので。

 フィギュア・コレクターにとっては当たり前の話しすぎて、何をいまさらって感じでしょうけれど、はじめに一体だけ人形を手にする。しばらく飾っておくと、いつの間にか増えている。持ち主が増やしてるんですね、人形を。

 ひとつで満足すればいいのに、と思うかもしれませんが、不思議と一体だけ飾っていると、なんだかさびしい。なぜさびしいのかといえば、人形に仲間がいないからです。いえね、持ち主がいるときはいいんですよ。ふたりで対話できますから。でも、持ち主はいつでも一緒にいられるわけじゃない。人形は孤独になれてますから、余計なお世話かもしれませんけれど、それでも仲間を増やしたい気持ちになるのは、やっぱり世界を広げたいからでしょうね。

 そう、持ち主は人形を通じて魂を、世界を見ている。形から魂が生まれるように、魂から世界は生まれる。もっと具体的に言えば、世界という概念です。

 世界という言葉は概念であって、そういうものが実在しているわけじゃありません。概念として捉えられることが大切なのです。ただ世界として認識すると、ひとくくりにそこへ何でも放り込んでしまうという面が生じるのが弊害です。

 余談ですが、わたくしドール・コレクターではありませぬ。人形はカメラや時計といった沼と同じで、奥まで潜ると息継ぎしなくても潜りっぱなしになれます。そのぶん、地上から魂が浮き上がっちゃいますんで。体が透けはしませんけれど、気持ちが半分そっちに持ってかれてしまうという。魔界です。魂おいてけ沼です。好きなものを語らせると、目の色が変わっちゃうのは、魔界に片足つっこんでるからですよ。

 人形と対話するといっても、わたしは声に出して語りかけるとかは、一人のとき、たま~にするくらいです。やーん、またホラーかよぅ! サーセン、サーセン。化粧台に向かって延々語りかけている老人だと思っていただければ。この文章がそんな感じで作られてますので。狂気! ナムサン! キエーッ、イヤーッ!

 Windows付属のメモ帳だったら、キーボードのショートカットキー『Ctrl+S』でテキストの上書き保存ができるんですが、カクヨムは右上の保存ボタンをいちいち押してあげる必要があるので、書いてて勝手が異なりますね。ここで豆知識。Altキーって、オルト、って読むんですよ。アルトじゃないです。オルタネイト・キーの略語。

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