011 ボンジョビやヴァン・ヘイレンと同じシステム
幅広く、浅く音楽を聴いています。中でもロックが好きで、マリリン・マンソンはかつて夢中になりました。来日公演も行きましたっけ。座席が遠くて、さっぱりステージ上で起きていることが把握できませんでした。
バックダンサーは裸に見える服をきていて、顔には口が二つついているようなメイク。マンソンがなにか英語でしゃべりながら、歌と歌の合間に彼女たちを四つん這いにさせて、ステージ上でお尻を叩いているわけです。
わたしは一体なにを見せられているんだ……と頭の隅で首をかしげつつ、きゃーきゃーしたのを覚えています。隣の席のお姉さんなんて、途中でいなくなってましたから。
現在はすっかり平熱に戻りました。今でもデビュー作から5枚目くらいまでは好きです。彼らの――そうだ、書き忘れてましたがマリリン・マンソンはボンジョビやヴァン・ヘイレンと同じシステムで、人名がバンド名になっています。日本じゃあまり見かけないスタイルですよね。
これ、叙述トリックで使えそうです。主人公がひとりだと思っていたら、リーダーの名前を冠したチーム名だった、とか。映像じゃ難しいと思うので小説向きですかね。あとで自作に使うかもしれません。ネタバレしても、ミステリの楽しさはトリック以外が重要ですから、どうかお気になさらず。
マリリン・マンソンのなにが好きかといえば、独特のビジュアルセンスはもちろん、歌詞に潜んでいる思想ですね。大前提として、楽曲もよいですよ。
昔は気づかなかったんですが、音楽というのは水モノです。流行があって、古くなるほど値段が下がったり、忘れられていきます。音楽史に残る名盤は山ほどあるにせよ、それでもやはり水モノな部分はあります。
その時代だからこそヒットした、ブームを巻き起こした音楽ってありますから。なので、懐メロを聞くと古さを感じてしまうのでしょう。
なんでそんなCDが出ているんだろう、と不思議な気持ちになる企画盤と中古屋さんで出会ってしまうと、いろんな意味でむずむずしちゃいますね。除夜の鐘のCDとか。
そうそう。友人がCDの初回限定盤に夢中になっていた時期があって、あれも振り返れば、はしかみたいなものでした。恋と物欲は見分けがつかないものです。
データ形式で、しかも音源すら所有しなくてもいい時代を迎えていて、音楽業界は大変ですが、もともとタレント的な素養が求められる商売なので、みんなこぞって本質に迫ろうとしているのかもしれません。まるで玉ねぎの皮をむくように。
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