『8点!』『マジックシューターズ』 著者/告井凪
書評レベル『辛口』
タイトル
『マジックシューターズ』 著者/告井凪
キャッチコピー
『アミューズメント施設に設置された、魔法シューティングゲーム「マジックシューターズ」。
実際に体を動かす体感型対戦ゲームで、銃の代わりに魔法で撃ち合うサバイバルゲームを体験できる。
主人公の沖坂選は、このゲームでの強さを表す「クラス」をSにするべく、日々バトルロイヤルに明け暮れていた。
高校入学を控えた春休み。彼はどうしても入学前にクラスSになりたかったが、Aから上がることが出来ず苦しんでいた。
そんな時、一人の女の子、早瀬理流那が話しかけてくる。
やたらとゲームに詳しく、主人公に的確なアドバイスをくれるが……
彼女は実際にはプレイしない、観戦がメインだと言う。
二人の出会いをきっかけに、少年たちの青春が動き出す。
彼らはマジックシューターズを通じて仲間と出会い、バトルし、分かり合う。
いつか、頂点に辿り着く魔法使いになるために。
マジックシューターズというゲームを楽しむために、青春をする。
※3/28完結しました。』
ジャンル
現代アクション
タグ
ゲーム、魔法、シューティング、青春、部活、学園、完結
総文字数
188,015文字
公開日
2016年2月26日 18:01
最終更新日
2016年3月29日 11:19
────2016年04月03日13:25現在時点。
文章力★★★(★×3)読みやすさ
独創性★★☆(★×2)オリジナリティ
娯楽性★★★(★×3)おもしろさ
────合計☆数『8点!』
実に惜しい! あとひとつ何かがあれば満点だった。最初予想していたよりも──総文字数、約18万字──すごく読みやすかった。これぞ青春! 面白かったなあ。今作品が書籍化されたり、アニメ化されたら普通に楽しめると思うの。それぐらい良かった。満点じゃない理由はあとで触れるので、先に内容ですな。
物語は三人称多元視点。主人公の
対戦の方法は魔法を使っての撃ち合い。
いわゆるサバイバルゲームの魔法版みたいなものだ。
ゲームプレイヤーはランク付けがされ、センは『ランクA』である。高校の入学までに『ランクS』にあがりたい、猛練習をしていたところに現れた彼女が────。
という感じで始まっていきます。その後は入学した高校のオリエンテーションの後半殆どを使用する、部活動紹介で『マジシュー部』の声を聞いたセンは感動する。
「部員募集? いいや違う。戦友募集だ。共に魔法戦争を勝ち抜くための仲間を募集する。その覚悟がある一年生は、是非我がマジシュー部へ。幸い、この私、
柏沢考路は、にやりと笑い、マイクを持った手を下げると、大きく息を吸う。
「我こそは頂点に辿り着く『魔法使い』だという者は、大歓迎だ!!」
まあ、ちょっと変わった部活動をおくる青春劇です。少し噂に聞いた程度ですけれど、『涼宮ハルヒの憂鬱』の後あたりから、この手の応募作が増えたと聞きました。今作品もそういった雰囲気が好きな読者は食いつきそうなんですけどね。カクヨムにはいらっしゃらないのかしら? 面白かったんですけどねえ。
文章力もある、構成力もある、キャラも立っているし設定もいい。何が足りないかと聞かれるとパンチかなあ。『リトルバスターズ!』という作品はご存知だろうか? アニメ化もされているので、知っているひとも多いと思う。『リトルバスターズ!』は『ゲームブランド・Key』が制作した恋愛アドベンチャーゲーム、および本作を原作としたメディアミックス作品の総称のことだ。あの作品などの描き方、売り方をするのなら、今作品も売れるのではないだろうか。だが、『リトルバスターズ!』は恋愛や青春よりも、『友情』を描いた作品だ。そこからの共感を得て、人気になったと思っている。
今作品はどうだろうか。とても面白いんだが、友情や恋愛を描く基礎、根本で話がまとまっているような気がした。どこかパンチ力がない。作者の個性がみえにくい。そう思ったので満点にできなかったわけです。ちょいと呟いてもいい?
────はっちゃん知ってるよ。公募の玄人さんでしょ? 気づいたら書籍化とかするんでしょ?
壱原さんもそうだったけど、気づいたらプロになっていそうな作品、作者さんでございました。なんで埋もれてたんだろ? あれか、ライバルに塩は送らない的なヤツかな? ま、私は知らん。『マジックシューターズ』面白いです。続編に期待。
八艘跳。(´ω`)
次回はちょっと待ってね。いろいろと確認してから呟くよぅ。
次回の書評。
『作為幻想の勇者と異界終焉の剣』 著者/折口詠人
Twitter 2016年04月03日17:22 呟いてしまったー。
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