『9点!』『uNeTeRNaL』 著者/千秋亭楽市
書評レベル『辛口』
タイトル
『uNeTeRNaL』 著者/千秋亭楽市
キャッチコピー
『神の器のその内で、不老のヒトガタ達は“終わり”を目指す。』
あらすじ
『 天才科学者である愛都世羅は、ある日、寿命を約十倍に引き延ばす人不老化ワクチン――〈C2V〉を開発する。だが、それを世に放つべきか迷った世羅は、高校時代の友人であり天才プログラマーである江戸尚輝に相談を持ち掛けるのだが……。
国を自身の手中に収めんとする大臣、死んだ夫に囚われた女殺し屋、彼女と共に永遠の時を過ごしたい女貧民、正体不明のテロリストα―β、永遠を手放した刑事とその息子、そして突如現れた変異体。
様々な思惑と行動が絡み合い、『世界』は終焉へ近付いていく―― 』
ジャンル
SF
セルフレイティング
残酷描写有り 暴力描写有り 性描写有り
タグ
不老不死、科学、人外、群像劇、戦争、生死観、ダーク、完結済
総文字数
151,495文字
公開日
2016年2月14日 22:52
最終更新日
2016年3月29日 01:02
────2016年03月31日13:21現在時点。
文章力★★★(★×3)読みやすさ
独創性★★★(★×3)オリジナリティ
娯楽性★★★(★×3)おもしろさ
────合計☆数『9点!』
なんでだろうね。満点が出ちゃいましたよ。一応、私のプロフィール(カクヨム版)か、Twitterをご覧になっている方はご存知でしょうけど、また改めていっておきます。私がつける『★★★』は『お金が払えるか?』という基準になっています。そこから先は私の出番ではない。著者と出版社ですからね。何度でもいいますが、私は商業作品を、出版というイベントを体験したことがない素人なんですよ? 同人誌でさえ未経験です。お忘れなきよう、願います。
さて。物語は群像劇、三人称ですね。始まりはひとりの科学者、『
前回の書評をご覧の方はご存知ですが、『バッカーノ!』という『不死の酒』を巡る作品を取り上げたばかりでした。とてもタイムリー。忘れやすい私は今作品が不老という影響力の大きさを描いた話だとは覚えていなかった。とても悔しいです(笑)
先にお伝えすることは今作品がライトノベルではなく、一般文芸だということですかね。今のところ、このエッセイで取り上げた『SF』作品にライトノベルがありませんから、さほど重要ではないのかな? そんなことを思ったりもします。『小説家になろう』のSF作品とは大違いですね。あちらはライトノベルが大半です。カクヨム、今後も頼みます。
さてさて。いろいろと触れていきましょう。『拡張現実』が当たり前になっている未来が舞台です。よく分からない人は映画『バニラ・スカイ』や『マイノリティ・リポート』みたいな雰囲気だと思っていただければ十分です。あくまでも雰囲気ですからね。ストーリーは違いますよ。
特別な主人公はおらず、『
「だが、〈C2V〉を接種した人間は違う。〈C2V〉を接種した人間は、老いが非常に遅い。少なくとも、三百年は全盛期の身体を維持出来るだろう。その間、〈C2V〉を接種した人間は衰えない。衰えないから、自分の人生に納得出来ない。納得出来ないから、自分の持つ知識や技術を抱え込もうとする。他の誰かに奪われたら、自分の地位を脅かすことになるからな。
引用したセリフは、父の背中をみて刑事になった
あんまりいうことない。ただただ面白かった。そんな読後感から時間を経てみると、いっぱい出てきたから不思議ですなあ。おいこら、筋肉。背筋伸ばせ。※Twitterのアイコンがマッスルです。
まずは『151,495文字』という文量。二倍にしなさい。人物の背景をもっと濃く描き、書籍でいう『上下巻』という厚さにしてください。公募しろや! とか思っていましたけど、Web小説という利点を活かしましょう。字数を大幅に増やし、世界観をしっかりと伝える努力をする。三世代に渡る物語といっても過言ではないので、各世代の情景をもっと深くしても問題ないはずです。そうすれば、公募ではできない表現も可能となりますからね。
あとね、人物名。どうにかならんのか? 安直すぎやしないかい? まあ、これもある種のネタ(仕掛け)ですからいいんですけどね。気になる方は最後の最後まで読んでみてください。なるほど、唸ります。
世界観や人物描写、背景を厚く、深くしていけばとても面白くなります。今でも十分に面白いんですけどね。私が編集者で今作品を売りに出すのなら、先ほどあげた注文を書かせます(笑)
いやほんと、面白かった。こういう作品を体力がある作品というのかもしれません。実写化、アニメ化といった映像化にも耐えられるうえ、あのラストからの続編、シリーズ化も狙えます。ゲームシナリオに採用したっていいでしょうねえ。
私が思い出深い映画がありましてね。『ユージュアル・サスペクツ』という古い映画なんですけど、ミステリの女王『アガサ・クリスティ』の『アクロイド殺し』を下敷きにしたという計算された脚本が当時の話題になったそうです。学生の頃にアルバイトをしていたレンタルショップで出逢い、『なんだこれは?』と驚いたことを鮮明に覚えています。今作品もその衝撃を思い出させてくれました。マッスルの癖に。
まったく辛口じゃない? 知ってます。それほどに面白かったと思っていただければ十分です。著者は筋肉愛好家ですけど、作品は間違いなく面白い。あ、そうそう。今作品が書籍化されたら買うと思いますけど、カクヨムで公開されている別作品の筋肉関係は買いません。あしからず。
────筋トレしてんじゃねえよ! タイトル読めねえんだよっ!
八艘跳。(´ω`)
次回の書評は決まっていますが、ちょろっと休憩してから呟きます。ではまた次回、お会いしましょう。もしかしたら、今夜、更新しているやも。アデュー。
次回の書評。
『HP1の俺(ロボット)が無敵のプレイヤーたちをデータ改変でなぎ倒していったら最強ハーレムができた』 著者/ソウイチ
Twitter 2016年03月31日14:45 呟く。
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