『4点!』『恐怖な彼女 ~僕の自爆と嗤う彼~』 著者/草上真
書評レベル『辛口』
タイトル
『恐怖な彼女 ~僕の自爆と嗤う彼~』 著者/草上真
キャッチコピー
『シャクトリムシだ。シャクトリムシになるのだ! 例えばこんな自爆』
あらすじ
『高校生になったその日、右隣の席に実に可愛らしい女の子が、ちょこんと座っていたのです。
天にも昇る気持ちというのはこのことか!
普段なら間違いなく心の中で感涙むせび泣き喜びの舞いを踊り狂っていたことでしょう。しかし、そうは問屋が卸さない。
左隣には恐怖の権化、絶望を孕んだ闇色の瞳の彼女が居たのです。
もはやホラーにしか思えませんでした。
そこから始まる自爆に次ぐ自爆と自業自得。
こんな自爆はみたことがない。
やらかして泣いて、泣き崩れて反省。だけど、とってもご飯が旨い。
策士の陰謀、そして反逆。ついに彼女の恐怖が覚醒する。
はたして僕は彼女の恐怖の気配を消し去って平穏な日常を手に入れることが出来るのか。
策士の陰謀によって怒涛の勢いで絶望の断崖を転がり落ちてゆく僕と、女の子たちとの日々を描くハイテンション青春ラブコメ。
※異能はありません。』
ジャンル
恋愛・ラブコメ
タグ
学園 ラブコメ、高校生 コメディ、ハイテンション、男主人公、どんでん返し、コンテスト参加作
総文字数
134,717文字
公開日
2016年2月18日 20:11
最終更新日
2016年3月24日 00:14
────2016年3月24日15:35現在時点。
文章力★☆☆(★×1)読みやすさ
独創性★★☆(★×2)オリジナリティ
娯楽性★☆☆(★×1)おもしろさ
────合計☆数『4点!』
待ってました! コンテスト応募作品の中でも10万字以上という規定をクリアした作品の登場です。こういう方々が埋もれてしまうのは残念ですよねえ。それが、この企画の趣旨にも沿うだろうと思います。
ぷ、プロローグに嫌な予感がします。ま、まあ。プロローグだからね。一話目は違うでしょう……そうか、一人称のですます調でございまするか。つ、続くのでしょうか。二話目に突入しましょう、そうしましょう。三話目『僕の告白と盛大な自爆』で盛大にギブアップ。あかんです。私の好みがランク外!
そうなった理由を述べていきますね。まずはジャンルが『恋愛、ラブコメ』ですから、男主人公に感情移入か共感しなければ読み続けられません。多くの恋愛もの、ラブコメものが三人称視点なのは理由があります。地の文です。強烈な主人公や周囲の人物をおもしろ可笑しく描いていくとき、地の文まで同じ温度のままだと読者が疲れてしまう。その結果、ついてこれない読者をふるい落としてしまうのです。私も落とされました。三人称視点で描かれていれば、冷静な文章と人物のギャップに惹かれる可能性もあったのですが……これは一人称ですからね。ついていけなかった──。
ふと、短編が投稿されていたのを思い出しましたよ。他の二作も同じような文体、文章なのか気になった私は読みました。あるじゃないの。面白い作品。
タイトル
『掌編:間違いだらけの僕の青春』
キャッチコピー
『勘違いと迷走。そして土下座』
あらすじ
『 高校三年生のある雨上がりの午後。
僕は同じクラスの彼女に土下座していた。
なんとしてでも卒業までに告白しなければならなかったのだ。
間違いだらけの僕の青春を描くコミカル・ショートショート。』
ジャンル
恋愛・ラブコメ
タグ
コメディ、ショートショート、ギャグ、学園、短編、青春、ボーイミーツガール、掌編
総文字数
3,423文字
公開日
2016年3月12日 09:39
最終更新日
2016年3月12日 20:07
SFの短編も読みましたが、こちらが好みです。短文で綴りながらも、同じ一人称で同じジャンル。地の文に温度の変化がある文章じゃないですか。これだよ、これ。いいじゃないの。どちらも発想は良いのだから、素直に読んで貰える文章のほうが好感度が高いと思いますよ? 一人称の弊害は主人公、語り手を受け入れて貰えなければ、切り捨てられるところですね。その逆で、三人称ならば、地の文の温度は冷淡になってしまいやすくなりますから、切り捨てられる可能性は減ると思います。どちらの作品も強烈ですからね、主人公。
ところで、ですます調ってどうなんですかね? あまり小説ではみかけない形式になりますけど、私の好みではない! まれに『ですます調』が出てくるであれば、さらっと流せるのですが……ギブアップしました。評価されている方もいるので、個人の好みの範囲なんですかね。商業小説でみかけた記憶がないような……もしかすると、新たな発見かもしれません。ちょっと調べてみることをオススメします。少なくとも、私には書けませんし、読めません。
私がこの作品をお料理するのなら……三人称一元視点を採用します。もしくは、語り手を別におく方法です。『涼宮ハルヒの憂鬱』などがそうですね。主人公はハルヒであって、キョンではないのですから。点数に関しては三作品まとめた点数になりますので、ご注意ください。
書評の作品『恐怖な彼女』は、どんでん返しが待っていると分かっていても、『読めば面白い!』といわれたWeb小説を読んでくれる読者は少ないのです。それと、あらすじが長い。前回もお伝えしましたが、目次が読みにくいのなら、中身を読みません。それが読者です。公募に出される予定がなくても、800字(原稿用紙2枚)程度にまとめる癖をつけておくとよいでしょう。さらっと流せるあらすじだと、『へえ。中身は?』となる可能性が高くなります。あなたのあらすじは流せない。それならバック。そんな読者がいたかもしれません。ぜひ、ご再考を。
長々と語りましたが、結局、二作品の書評をしている気が……ま、まあ。そんな日もある。そういうことにしておいてください。今後の創作活動を応援しております。最後に、その発想はなかった。うらやましす。
八艘跳。(´ω`)
次回の書評作品。
タイトル
『なずな・マジックドアの不思議な旅』 著者/まよなかちわわ
2016年3月24日14:58 Twitter
書評の追記。エッセイのランキング。入りそうですよ。皆さんの導線になっていることを願っております。それではまた次回。読み終ったら呟きます。
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