みまちがい
神光寺かをり
末席
神川合戦
街道が砂煙に包まれていた。
東から微風が吹いている。湿気た土泥が生臭く臭ってきた。
水位の低い神川の
川を越えた浜松勢が、それに襲いかかる。
浜松勢の中で、身分のある者の自身指物であろうか、何かがキラキラと光を弾いている。
急に城方が引いた。
吊られるようにして、浜松勢の先陣たちがその背後を追いかけて西へ……
浜松勢の陣形は細長く変形した。
この様子を、激戦地の神川岸から西北西――尼ヶ淵の城から見れば東北東に位置する
身に着けているの赤糸
東の戦線から西の城に目を向けた若者は、更に西の方を見た。
報告では、その兵数は百に満たないという。その百も、みな五十を過ぎた老兵ばかりだそうな。
そして、上杉の兵はそこから動くそぶりがない。旗印だけが微かに揺れている。
それで充分だった。
『越後から
のである。
大柄な若者はニッと笑った。
「
控えていた伝令の
「よし、掛かるぞ」
若者は手槍を
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