第65話「ゴールデンアワー」

 以前からタイトルだけは知っていた作品の一つである。

絵に惹かれたという訳ではないが、批評サイトでの評価が非常に高く、気になった。

そんなわけでどんなゲームなのかやってみようと思い、購入に至ったわけである。




あらすじ



ねえ、私の存在理由ってなに?



サッカー全国大会地方予選決勝の直前、主人公の石森雄也は怪我によりサッカーが出来ない体になってしまった。それまでの目標を失った雄也は夢や希望、そして、恋を半ば諦め、ただ時間を潰す日々を過ごす。そんな雄也にも気になる女の子「広瀬夏未」が居たがどうせ自分なんてと興味の無い振りをしていた。



いつも通り、放課後に街に出て時間を潰すためゲームセンターに向かう雄也は「ユキ」と名乗る少女と出会う。彼女はとても似ていた。「広瀬夏未」に。そして、初めて出会った筈なのに、どこかそうじゃない気がして……。



彼女は突然、雄也に告げる。



「私があなたの恋を応援してあげる」



それは雄也とユキの止まっていた時が再び動き出した瞬間だった。

残り僅かな時間の中で。







このゲームは非常に現実的な物語である。ドラマをエロゲで見ているような、そんな感じ。シナリオそのままで芸能人使ってドラマにしても違和感がない。所謂「リアル寄り」という奴だ。




冒頭のムービーを見てもわかるように切ない物語であり、例えば、別れたいのに、恋人に「別れないでくれ」と言われ、別れずじまいでグダグダしてしまっている状態とか、いけないと分かっていても流されてしまう関係とか。




そういった青臭い春のいい部分、悪い部分を丁寧に描いているのが好印象。BGMも優しい音色の物が多く、全体的に落ち着いた曲が多い。

後に入るOPムービーよりも冒頭のイントロムービーの方がこのゲームらしいと思う。ちなみにHシーンもかなりリアル寄りで好き嫌いが別れる。

立ち絵とかはまだいいが、Hシーンの方がリアルなのはちょっと辛いかも。俺としては生々しすぎる描き方は苦手なので、抜きゲーとしては使えないかも。




異世界だの、ファンタジーだのを求める若い層には恐らく合わないだろう。だが、現実的な物が好きな人にはどっぷり浸かること間違いなし。むしろ、ターゲットユーザーはそういう少し落ち着いた年齢の人なのかもしれない。ルート的にはユキを最後にすれば誰でも自由に選べるぞ。

個人的には七北田瑠璃が最初です。いや、もう、だって、あんなん絶対関係結ぶって……。




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