第7話「絶対幸せ宣言っ!」
キャッチコピー(自作)「タイトル詐欺」
ソフマップで何かイイゲームないかなーと物色していた時に出会ったソフト。立ち絵もよく、部活モノでよさげな雰囲気だったので購入。値段は3000円程度だったのでまあ面白いソフトだろうと思っていた。でも、プレイしてみたらナニコレ、完全にタイトル詐欺じゃん!でした。
インストール終えて起動したらメインヒロインの友人が校舎から飛び降りて自殺するシーンから始まるんだから……もうこの時点で幸せじゃないよね(苦笑)なので、全体的な雰囲気はやや暗めです。
このゲーム、本当に悪いところばかり目立つゲームです。文章の誤字脱字多発、セリフがあるのに声のない部分があったり、肝心のエロシーンの実用性が全くありません。正直、同人ゲームの域を超えてないレベル。今でこそ中古ですけど、元は企業が出したフルプライスのゲームだよね?? こんなのをフルプライスで買わされたユーザーの気持ちを考えたことありますか? と声を大にして言いたい。
しかも部活モノなのに、ほとんど部活してません。一応、部活してても、描写もイマイチで設定をほとんど活かせていない……いや、最初から設定活かすつもりがないような気がするな。だったらなんで部活設定を作ったんだって話。
あと、ヒロインの頭はお花畑状態で、現実を知らなさ過ぎます。彼女のルートを攻略するとき、頭痛と怒りでイライラしっぱなしでした。あるシーンで主人公とヒロインが登校中、公園で一人ため息を吐くおじさんを見かけます。おじさんは次の日も下校時も公園にいて、何をするでもなくため息をついています。うん、どう考えてもリストラされたおじさんだよね。
でも、家族に言えなくて、仕事行くふりして公園で時間潰してるんです。そんなおじさんを見てヒロインは「きっと公園が大好きなんだね」とほざきます。ニュースを見てないのでしょうか、それとも親の教育が悪いんでしょうか。
しかし、主人公は「そうか」「頑張れよ」の一言で済ませてしまいます。この他にも少々頭のネジが何本か飛んだキャラがいますが、同じような対応で主人公が無感情すぎます。
そう、この主人公はギャルゲーorエロゲーの主人公という感じではない。最近のエロゲ及びギャルゲーの主人公は基本だらしなくて怠け者。でも、カリスマ性はあり、クラスでは人気者。大親友でもある悪友がいて、何故か女の子友達も多い。勉強はできない癖に変に頭がよかったり、カンのいい所がある。一概には言えませんが、大体、こんな感じの主人公が多いと思います。
主人公はプレイヤーの分身なので大概理想的に設定されています。理想的な主人公にさせてプレイヤーが感情移入し、楽しむという醍醐味ですね。かつて、なりきりチャット(なりチャ)が若者の間で流行ってましたが、自分が主人公になったつもりでゲームを遊び、楽しむという面白さがありますね。エロゲでもその辺は変わらないと思います。女の子だけ可愛けりゃいいじゃんと思うかもですが、主人公がダメ男・クズ男過ぎるとユーザーの受けが悪いのです。
そして、この主人公はまったくもって理想的な要素がない。剣道をしていたという過去があるだけで、あとは特に何も頑張りませんし、特徴もない。部活も積極的ではないし、どのキャラのルートも何か頑張るという事がない。そこは血反吐吐いてでも頑張るシーンだろ!というツッコミを画面でしても、主人公は別に頑張りません……いっそ清々しいですわ、ホント。
ちなみにエンディングは手抜きに近いぐらい短いです。エロゲのエンディングって割と長いものが多いですが、こんなに短いのはこの作品ぐらいじゃないですかね。スタッフも少なく、どうやら少人数で制作してた模様。バグチェックもできず、誤字脱字が多発したのはその辺に原因がありそうです。ちなみにこのゲームのメーカーは今ではHPすらありません。どうやら、この1作で終わってしまったようです……。
悪いところばかりのゲームですが、多少良い文章があったり、BGMはそこそこ良かったりします。それを聴く為だけにゲームを起動させたこともしばしば(笑) それがせめてもの救いでしょうか。
このゲームにはシナリオライターが複数いたらしく、あるキャラだけでシナリオがSF小説みたいな設定でぶっとんでいます。面白いぐらいに異色です。謎すぎるぞ。大草原不可避。彼女のシナリオを見て笑い飛ばすのもいいかもしれない。
あと、主人公の叔母さん(主人公の父の妹。ニート)が後に主人公宅に居候します。彼女はグダグダと話をするシーンが多く、「クレヨンしんちゃん」のむさえ(みさえの妹)を彷彿とさせます。むさえもニートで野原家の二階(元はひろしの書斎)で寝てばかりの日々を送っていましたね。(今は再びカメラマンに復帰しました)
いや、筆者もニートだったからよくわかるのですけどね。社会に対しての不満とか、叫びたい事とか、愚痴とか、言いたい事が山のように出てくるとは思うけど……それをゲームでやるのはどうなんだろうか。あと、個別EDに対しても納得できるものは少なかったです。どのキャラもね。
以下、まとめ。
良い点
BGM、一部の文章、アイキャッチ
悪い部分
誤字脱字多発
パロネタを伏字にしていない
部活モノなのに部活をまったく活かせていない
魅力がない主人公
エロシーンが使えない。
絵が同人レベル。
ヒロイン達が異常に常識外れ。
EDも納得いかない物がある。
ブランド eighthnote
発売日 2007-09-21
商品群 通常版 /PKG版/9504円
通常版 /DL版/2700円
中古だと3000円くらい。
今ではもっと安いかも。
原画 水原優
シナリオ 七烏未奏 , 海原楓太
音楽 i.o.sound
声優 安玖深音(四季 彩) , みる(安傘 春香) , 風音(神田 秋代) , 涼森ちさと(白雪 冬子) , 有栖川みや美(立川 千夏)
空乃太陽(空野太陽)(岸田 徹、柏原 龍山)
歌手 月子(OP曲 「あの日の願い」、ED曲 「I wish」)
その他 七烏未奏(企画・スクリプト)
データはErogameScape -エロゲー批評空間-より抜粋。
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