エロゲーをレビューしてみた。思い出も含めて。

第8話「冬音-tone-」

さて、このゲームは500円程度で購入した駄ゲーです。

当時、高校生だった筆者はお金が無かったので、安い作品を大量購入してました。エロゲは値段の上がり下がりが激しい。評価が悪ければ、中古になると値段が途端に安くなります。逆に人気があると中古でも値段が高いままです。

で、このゲームは前者の方ですが……まあ、そこらへん考えずに購入して、遊んでみました。しかし、感想としてはどうも微妙だった。どう微妙だったのか、そこら辺を詳しくレビューしていきます。

このゲーム、タイトル通り「冬」が舞台です。

主人公は大学生で妹から寒中見舞いを貰うのですが、可愛いデフォルメ妹イラスト付きのハガキに「父母逃げたすぐ帰れ」という文があり、妹想いなお兄ちゃんは実家に帰省します。

ただ、帰省したものの、家の鍵が合わない。どうしようか悩んでいたら幼馴染の葵ちゃん登場。彼女がピッキング技術で鍵を開けてくれてました。……君、何者なんやと大勢のプレイヤーは驚きに言葉が出ないでしょう。

中に入れたものの、妹はまだ学校で家に帰ってきていない。主人公は風呂に入ってのんびりすることに。すると妹が帰宅。妹は泥棒が侵入したと思いこみ、全裸の主人公を変態の泥棒と勘違い。自前の弓で攻撃してくるからさあ大変！　というテンプレなラブコメからスタートします。ピッキングは流石にちょっとアレな気がしますが、なんか「ラブひな」に似てると思うのは筆者だけでしょうか？

妹の誤解をなんとか解いた兄は、妹から両親が旅行に行ったとかで一人なので兄を呼んだと説明を受けます。まあ、学校も休みだし、のんびり実家で暮らすかという事に。後にケーキ屋でバイトしたりもします。

過ごしていく内に妹の綾、幼馴染で綾と仲良しの葵、綾の先輩で主人公と同じ学校だった友人・聖さん。神社に現れた謎の少女・湖真（こま）と出会い、攻略していくことになります。

EDはキャラによっては２パターンありますが、結末は同じ。普通、そういう場合って結末も違うんじゃ……とツッコミたい。でもね、キャラがちょっと変わり者が多い。ユーザーの心を掴めたとは思えない。シナリオも大して長くないし、個別ルートがダメすぎて嫌になる（特に妹ルートは酷い）

あと、ボイスがあるのはヒロイン達のみでサブキャラにはありません。というか、サブキャラの絵がすごく下手くそで落差が激しい。どっかの個人サイトからキャラを拝借してきたのかな？と思うほどのレベル。おまけにHシーンの効果音が何度聞いても気持ち悪く、萎えること間違いなし。

そもそも、今でこそゴミみたいな値段ですが、この作品も発売当初は新品で発売された訳です。昨今はサブキャラ・メインキャラ問わずにフルボイスなのが当たり前で、それに加えて原価や広告などエロゲ１本作るだけでも相当なお金がかかります。

その為、新品だとフルプライス（９８００円以上）はする訳です。初回限定特典（いらないサントラ、誰も得しない設定資料集などが付属）がついた豪華版などは１万以上超える場合も。大金出してこんなの掴ませたら、流石にキレるんじゃないかな。

まあ、全体的には雰囲気もいいし、純愛ルートなので（一部を除く）個人的にはそこまで嫌いでもないんですが、友人曰く「（相手が）金払ってくれたらプレイしてやるわってレベル」だそうです。

「どんなゴミか……やってやるぜ！」というダンクーガーの藤原忍のように勇気のある方はぜひプレイしてみてください。

ですが、そうでない方にはとてもオススメできなません。ちなみにメーカーはもう存在してすらいません。どうも１作で終わった模様。HPだけが未だに残ってますが、更新されずに放置されたままです。

良い部分

わかりやすい、テンプレなノリ。

キャラの個性が斜め上。

悪い部分

サブキャラの声なし、立ち絵が商業レベルとは思えない。

Hシーンでの効果音が気持ち悪すぎて実用的ではない点。

妹ルート闇落ちしすぎで落差が酷い。

結末が結局同じの２パターンED

ブランド FragiLe

発売日 2007-04-27

商品群 通常版 /PKG版/9504円

　　　　　通常版 /DL版/3801円

中古　　　300～500円程度です。

原画 なつのすいか

シナリオ かりんとう

声優 岩泉まい(樋口まゆら、樋口まゆ)(湖真) , 春日アン(春乃うらら)(七瀬綾) , 金松由花(相沢葵) , 渋谷ひめ(内海聖)

その他 神月社(OPムービー) , ジャッキー天野(制作進行)

データはErogameScape -エロゲー批評空間より抜粋。