#5(回想)ひき裂かれた恋人たち
#5回想・ヴァルトスの城・王の私室
フォーンス王子(20)「父上、なぜルシフィンダにあのような仕打ちを!? 国外へ追放するなど!!」
ロザリオン王(53)「来たな。我が息子、フォーンスよ。あの娘はわがローザ一族にとってふさわしくない。鳥がカゴの中で歌(うと)うてなんになる」
フォーンス王子「それは! あまりの侮辱」
ロザリオン王「勘違いするでない、あの娘を助けてやれといっておる」
フォーンス「?!」
ロザリオン王「このヴァルトス城のどこに、空がある。重苦しく重厚に身構えて、真の空が見えるものか。愛しているのなら、あるがままに、解き放ってやるのが一番」
フォーンス「もう……もうどこにいるかもわからない!」
ロザリオン王「探してはならぬ。王としての命令だ」
フォーンス「ルシフィンダ……!」
(回想終わり)
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