泥棒市場
山猫はうんざりしてしまいました。
国会議員一号行きます!
役人十三号行きます!
公団理事二十四号行きます!
特殊法人役員七十三号行きます!
町内会長三百十八号行きます!
……………
かれらが披露するものといったらどれもこれも貧乏な人たちから盗んだ、破れた寝具や、こっそりためたお小遣い、あとで食べようと隠しておいたおまんじゅう、さらには無理やりひっぱりだした跡が残る入れ歯や義眼、車椅子のクッションなど、あとあと、どぶに捨てるようなものばかりだったのです。
山猫は長嘆息して言いました。
きみたち、こんな腕ではとても一流の泥棒としては売りこめないよ。かんたんに盗めるところからしきゃ盗んでいないじゃありませんか。これでは追いはぎと変わりないです。インドの王様から象を盗んだオツベルのような人材が、以前はあったもにょでしたが。あなたがたも盗品もとても市場に出せやしない。この時節、あたしが料理店を閉めねばならないというのも、仕方のないことかもしれないねえ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます