訓練

第二四話 連合軍結成

『[ジョン・フレンチ(イギリス海外派遣軍総司令官)は]いつ何時間戦闘をし、何時間休養するかは自分みずからが決める権利がある[という風に考えていた]』

                   ―フランス大統領レイモン・ポアンカレ―


「会長。どうもガリアの方々の準備が整ったようで」

「ん、そうか。松本くんありがとう。それでは、向かうとしよう。……先方さん、たいそうご立腹だろう?」

会長は椅子から立ち上がり、俺に向かって右口角をあげた素晴らしい笑顔を見せた。


「えぇ、それはもう激おこプンプン丸です」

ドアを開けて会長を先に行かせる。俺の秘書っぷりもどうやら板についてきたらしい。


「ふふっ。だろうな」

「雁首揃えて会議室の方に居ます。中隊長以上は全員列席。むさ苦しいおっさんが箱詰め状態。魔法中隊長だけが紅一点というなかなか地獄じみた光景です」

クーラーも存在しないこの時代。むさ苦しいおっさんどもがあまり広くもない会議室にすし詰め状態なのは、精神衛生上よろしくない。


「男女比率はそれでも史実よりも遥かにマシだ。我慢しなさい。魔法使いが殆ど女性で助かった。そのお陰で男尊女卑も薄いし、外見の年齢も当てにならんから私でも高級将校が務まる」

会長のいうことはもっともだ。史実より女性の社会進出は遥かに進んでいる。というよりも男尊女卑という考え方事態が特異みたいだ。男社会の権化であるはずの軍隊ですら魔法使いを専門とする部署だけじゃなくて参謀府に女性が普通に居たりする。それもそうだ。なんだってこの世界。女性の殆どが微量ながらも魔力を有しているらしい。そして、魔力を有する人間は身体的機能にボーナスが付く。

結果、女性の全員が全員ではないが、多くの女性は男性と変わらない身体機能をもっている(魔法使いは男なんぞより遥かに強い)。男の特権的能力はこの世界では存在しない。男涙目だな。そういう訳で男尊女卑は存在しない。

それでも性向の違いというかなんというか、軍隊は男が多い。特に前線に立つのは男がほとんどだ。参謀とか政治家は史実と比べてだけれども女性が多かったりするのだが。

まぁ、男脳と女脳の違いなのかな?こんなこといったらフェミズムの方々に殺されるけれども。まぁ、この世界にフェミニズムが生まれるかどうかすら疑問ではあるが。


そんなことを考えつつ、会長の後ろをついていくと会議室の扉の前に到着した。しかし、会長は何かに気づいたのかノックもせず、急に動きが止まった。

「どうしたんですか?会長」

「しっ……」

会長は人差し指で静かにするように促す。そして、その人差し指を扉の隙間へ指し示した。


「ん?」

意味がわからず俺は首を傾げた。はて?どういう意味で?目で意味がわからないのを訴える。

いいから、いいから。とでも言いたげに会長は人差し指を指し続けて、何かを訴える。

はぁ。意味がわからず身体を扉に近づけると。これまた、はて?俺も違和感に気づく。涼しい。涼しいのだ。クーラーなんて存在しないのだからこれは甚だ面妖なことだ。


ちょうど、その時。会議室の中から楽しそうな話し声が冷気とともに漏れでてきた。

「いやぁ、ペリーヌちゃん。悪いねぇ」

この声は、おそらくペタン大佐の声だ。見た目に反して随分、不甲斐ない声だ。ペタン大佐は口髭を生やしていて威厳たっぷりな外見をしている。

この時代の軍人はそれが流行りらしい。それで威厳があるように見えるのだから大したものだ。なんでもセットにはかなりの時間をかけているようで。

そういや、第一次世界大戦と第二次世界大戦のときの軍人の写真を比べてみても、圧倒的に髭率が高かったような気がしないでもない。


「いえいえ。これぐらい、なんてことはありませんよ」

次は女性の声がする。これはきっと魔法中隊長のアドルフ・ペリーヌ大尉だろう。


「おっさんばっかりですまないねぇ」

ペタンがまた不甲斐ない一言。お爺ちゃん、ここはキャバクラではありませんよ。


「いいえ。慣れていますので」

「カカクククッ、それもそうか」

一本取られましたな、ペタン大佐。そりゃ、軍人なんだから当然だ。

史実よりも女性の比率が高いとはいえ、女性は少数派だ。


「ペタン大佐。我々はキャバレーに来たわけではないですよ」

多分、この声はシャルル・ド・ゴール大尉のものだろう。

いやはや、そのとおりで。


「むぅ……そんなことはわかっておるよ」

むぅ……って、可愛いおっさんだな。っていうか、案外くつろいでんな。おおかた、勝手に魔法を発動して涼んでいるんだろう。一応、ここは魔法使えないように結界はってるのに……ペリーヌ大尉はどうやら中々の手練らしい。


どうしますか?はいります?会長の方に顔を向け、これからどうするか表情で聞く。入ろっか。会長は肩をすくめ、おどけた表情をした。


ガチャリ――ノックもせずに会長は会議室の扉を開けた。さすがは会長。勇気ある行動だ。まぁ立場的にはこちらが上なのだからどうということはないのだが。


突然の来訪にペタン大佐は驚いて表情を引き締めるのに少し戸惑った。急いで威厳あふれる軍人の姿を見せる。いや、今更そんなことしてもお見通しですがな。

「コホン。これはこれはワラキアの諸君。また会えて残念だよ」

ペタンは仰々しく身振り手振りを交えながら俺達に話かける。皮肉たっぷりの表情だ。いかにもフランス人らしい対応。ブラックジョークと皮肉はイギリスとフランスのお家芸だ。


「ふふ。そんなこと言って。一計案じて、我々に突っかかってきた貴方達の言葉ではありませんね。それに、少なくともド・ゴール閣下は会いたくはなかったとは思ってなさそうですが」


「えぇ、そのとおりです。一応初めまして、西園春菜主席参謀。また会えて光栄です。しかし、その閣下……というのははやめて頂きたい。私はしがない中隊長であります」

謙遜する未来の閣下、シャルル・ド・ゴール。アルジェリア戦争の混乱を収めた救国の英雄。フランス第五共和政大統領現代の帝王。独裁者にして民主主義の擁護者。時代の寵児。

これが、あのド・ゴールか。民主主義というのは難儀なもので……アルジェリア戦争頑張ってください。なに、第一次世界大戦と比べたらまだましですよ。

しかし、教科書に載るような偉人と面と向かって会うのはなんだか不思議な気分だ。こう見ると、ただのどこにでもいる人間でしかない。まぁ、当然といえば当然か。


「まったく、ド・ゴール君。せっかく全員揃って抗議の意を示そうとしたのにそれでは足並みが揃わんではないか」

ペタンは歓迎モードのド・ゴールが気に喰わなかったのか、頬を少し膨らまして叱責する。これまた可愛いおっさんだな、おい。


「まぁ、なってしまったもんは仕方ないか……」

はぁ、との溜息とともに諦めの一言が紡いで出た。


「えっ!じゃあ私帰っていいですか」

ペリーヌちゃん。気持ちはわかるぞ。

だいたいそんな簡単に折れるなら全員ここに集めなくても良かったのにね。


「駄目、そのまま冷たい風を出し続けて」

あぁ、可哀想なペリーヌちゃん。ペタンに拒否された。それも、クーラー係として居てといわれる始末。ホント、可哀想だ。

奇跡の体現者。解明されざる迷信を扱う旧時代の賢者。かの魔法使いも現代に至ってはただの小間使いとは……現代(というか近代)ってこわい。絶対主義国家が勃興するに連れて魔法使いはその独立を保てなくなった。教会と共に国家権力に段々と組み込まれ、ついぞ国民国家の誕生によって完全に独立を失った。教会権力が魔法技術を一手に独占しようとして行った魔女狩りを耐えた彼女ら魔法使いも国家権力には勝てなかったようだ。いまや、一部の例外を除いて魔法技術は国家に独占されている。


そうこう考えているうちに話の流れが変わる。遂にペタンは本題を切り出した。

「えーそれで、だ。西園春菜主席参謀。我々は一体何をすれば良いのかね?」

ペタンはトン、トン、と右手人差し指を机に叩いて聞いた。その風体はさっきと打って変わって軍人らしい威厳あふれるものだ。ニヤケあがっていたはずの口周りは、今では深い皺が幾つか刻まれている。西洋人特有の落ち窪んだ眼からは、鋭い眼光がまっすぐ会長を射抜く。もちろん、その眼光は野獣のそれではない。獲物を怯ますような鋭さではなくて、時折あの忌々しい世界史の田村先生が見せる知的な鋭さ、というべきか。そのような眼光の鋭さだ。いかにも現代の軍人らしい。個人の武勇ではなく、戦略こそが戦争を決定するのだという信念。そしてそれを可能にする人材。高級将校はきっと皆こんな目をするのだろう。取って喰われるような恐ろしさではなくて、自分の全てを見透かすのではないかという恐怖を煽る眼だ。


厭な眼だ。俺ならすぐに目をそらすところだが……ほら、やっぱり。会長はむしろ眼を合わしにいっている。

こういった改まった場では、会長の立ち居振る舞いは一挙一投足に至るまで全て計算されている。一体どこの誰に仕込まれたことやら。後天的な訓練の賜物か、それとも天性の才能か。それはよくわからないが、一つ言えることは、こういった時の会長の行動には全て意味がある、ということだ。大方、この行為は威圧するペタンに対する威圧返しだろう。人間は案外こういう細かい所で知らず知らずのうちに動かされるのだから怖いものだ。


「訓練です。ペタン大佐」

ペタンの見透かすような厭な眼など素知らぬ風。淡々と会長はペタンの眼を覗き込みながら答えた。予想外の答えにペタンの目尻がピクリと動く。残念、その時点でにらめっこは会長の勝ちだ。まぁ、無理もない。俺がその話を聞いた時も会長の意図がすぐには分からなかったしな。この時点で訓練なんぞを言い出すのは予想外だろう。俺みたいな素人でもわかる。


「……訓練ですか?この非常事態に?

いっちゃぁ、なんですが、うちの兵隊はそんなやわじゃないですよ」

ド・ゴールが苦言を呈する。

ま、そうでしょうな。この非常事態に呑気に訓練をするだけの余裕は普通ならない。招集されてすぐの新兵ならイザ知らず、ペタン率いる連隊は完全充足の正規兵で構成されている。でも、これも考えあってのことなのだよ、ド・ゴール閣下。


「えぇ、そちら方の兵隊はガリアの中でも精強な部類であろうことは間違ありません。しかし、ただ突撃するだけならひよこでもできる。貴方がたガリアの方々には雄鶏ゴロワになっていただかなければ。そこで、貴方がたには浸透戦術の訓練をしていただきます」


「浸透戦術?」

ガリア軍人の面々は首を傾げた。浸透戦術という言葉の響きに慣れていないのだろう。それもそのはず、会長曰くこの時点で浸透戦術は存在しない。浸透戦術が姿を表わすのはブルシーロフ攻勢が最初らしい。


「えぇ、浸透戦術です。別段、そんなに驚く戦術ではありません。内容は至極簡単。吸血鬼兵が敵の強力な火点を制圧、突破。そのまま敵の後方を荒らし回し指揮系統を混乱させ、その間に歩兵戦力を投下。一気に敵を蹴散らすという戦術です」


一瞬、小心者の俺には胸が痛いほど場が静まり返った。ガリアの幕僚達は驚愕の色を隠せないでいた。特にペタンとド・ゴールの眼は大きく開かれ、眼球が飛び出しそうだった。そんな驚くことかな?俺は会長から浸透戦術の概要を聞いてそんなに驚きはしなかったのだが。


「なっ、なんと。いや、失礼。西園春菜殿、まさか貴殿がド・ゴール君と同じ境地に達しているとは」

「えぇ、そうでしょうね。きっとそうだと思いました」

「西園殿も、この戦争が塹壕の前に死体を累々と積み上げるものになると?」

ド・ゴールの口調から熱っぽいものを感じた。有能同士、なにか共感するものを感じたのかもしれない。


「その通り、それを突破するには、現状やれることはこれしかありません」

「まったく、君たちの頭はどうなっとるんだ。ええい、ままよ。仕方ない。どうせ西園殿に首根っこを掴まれてるしな。参謀長ジョフルもなにか考えがあって、君に指揮権を移譲したのだろう。いいだろう、やってやるよ。西園主席参謀。訓練プランを指示して欲しい。我々は従う」

ペタンがもう何がなんだかわからなくなったのか案外簡単に折れた。


「ありがとうございます、ペタン大佐。では、松本君。例のものをここに」

やっと出番だ。荷物持ちの務めをやっと果たせる。右手に持っていたアタッシュケースを机の上に置いて開く。中には訓練内容の詳細を纏めた書類、魔力駆動の小型通信機インカム、そして細々した機械と数個の赤色に輝く小さな宝石がはいっている。これらを並べると、魔法中隊長のアドルフ・ペリーヌ大尉は机の上に身を乗り出して歓声を上げた。


「わぁ!!私、初めてみました!魔法石ですか!?」

「ん?そんなに珍しいものなのか?魔法石って?」

ペタンはこれの価値が余り分かってない模様。これ凄い便利アイテムなんだぞ。


「いいえ、魔法石そのものはそんなに珍しいものではないんですが、魔力が篭っている魔法石はすごく珍しいんです。自然界ではまず存在しませんし、仮にこれを人工的に創りだそうとしたら相当の手間隙がかかります。だから実際には余り用いられません。溜めた莫大な魔力を一気に開放できるんで神話一歩手前の魔法を発動するのに用いられたりするらしいですけど、魔力を溜めるのが凄いめんどくさいんですよね。通常の魔法使いが魔力を込めてもちょっとしか溜まらないので効率が悪いんですよ。人間をどうにかこうにかしたら直ぐに溜まるらしいですけど、それも禁忌で使えないし……ていうか、それは魔法石じゃなくて賢者の石になるらしいんですがね」

「……つまるところ、魔法石は手間隙がかかるが実用性がないと?」

「はい。魔法使いが一年頑張ってやっと第三級魔法一回分ですから」

「はぁ、だいたいこれがどういうものか分かったが、しかし使いにくいモノだな。凄い非効率的だ。あまり役に立ちそうにないこれをどうするのだね?こうやって見せたということは何かに使うのだろ?西園春菜殿?」

「はい、そうです。これと魔力駆動の小型通信機インカムを繋いだものを貴方方に配布します」

「……なるほど、魔法使いでなくても通信ができると。しかも簡単に。それは良い。無線は便利だが、どうにも機械が大きくてな。大きな部隊の連絡を取るには何とかなるが、小さな部隊になると厳しいからな。しかし、数がいるぞ。数は用意できるのかね?」

「えぇ、たっぷりと。金と魔力はいくらでもありますから。ワラキア本国の支援と吸血鬼兵の魔力にかかれば造作も無いことです」

「カカクククククッ……足りないのは兵力だけと?」

「その通りです、ペタン大佐」

「よろしい、やってやろう。期待してるぞ西園春菜殿」

「えぇ、私も期待しております。一緒にとしての勤めを果たしましょう」

「……クククッ。指揮権は君たちが上位であるはずなのに連合軍、ねぇ。なるほど、なるほど。そういうことか」

ん?なにがナルホドなのだろうか?


「そこに気づくとは、やはりペタン大佐は政治家としての才能もどうやらおありのようで」

ちょっと、待って。意味深な発言に意味深な発言を重ねないで!当人たちの間でしか通じていない会話ってすごく不快なんだよ!!


「え、理解できてないのもしかして私だけ?」

ペリーヌちゃんも話の意味がわからずオロオロとしている。大丈夫、俺もわからない(大丈夫じゃない)。


「我々はワラキアの傘下にあるのだから、連合軍という呼称は正しくない。単にワラキア軍ですむはず。しかし、ここでわざわざ自らを連合軍と呼称するのは何らかの意味があるということだ、ペリーヌ大尉」

ド・ゴールがペリーヌちゃんに助け舟を出す。俺も助けられたわけだが。いや、でもそれでもよくわからない。わざわざそんなことをして何の意味が?


「ん~分かったような、分からないような……でも、それってなにか意味があるんですか?」

「えぇ、意味はあります、ペリーヌ大尉。連合軍というのは『今は』存在しません。軍隊の統帥権を他国と共同するような試みは世界史上なかなか類を見ません。我々が『今』、連合軍として振る舞うのにはそれなりに意味があることなのです。大国の重たい腰を一刻も早く持ちあげねばなりませんから」

「なるほど……でも、そんなことしないでも直ぐに連合軍は出来るんじゃないんですか?ほら、バラバラに動くよりも皆で動いたほうがいいし」

「果たしてそうなるでしょうか?」

会長がペリーヌちゃんの意見に反対する。確信を持った一言。否、この世界での会長の一言はもはや確定事項だ。

ということは、直ぐに連合軍なんていうのはできないということなのだろう。大国はメンツとかなんやらで大同団結なんてすぐにはできない。そこで我々が率先して行うわけですか。戦果を上げてそれなりの活躍をすれば、まぁお偉いさん方も少しは積極的に動いてくれるかもしれない。といっても、我々の試みを黙殺する選択肢もなくはないが、うまく行けばリターンは大きいだろう。いずれにせよ、我々には損にならないのだからうまいことやったわけだ。ミレーア様様だな。


「西園春菜殿の言うとおりだ。ガリアもブリタニアも大国。しかも、歴史的には犬猿の仲だ。小国も連合国に引きこもうとしたらその労力は天文学的なものであろう。そう簡単に多国間で団結して事に当たろうなどとはならんものだよ。国家は面子と実利で生きるものだからな。仮に宇宙人が地球に攻めてきたとしても、きっと我々は人類相憎しみ合いながら死んでいくだろう」

ペタン大佐が春菜の言に全面的に賛同する。まぁ、よくよく考えれば人類に敵対的な地球外起源種BETAが攻めてきても人類同士で足の引っ張り合いをしているゲームが現実的だと感じられるのだから、これは真理なのだろう。いやはや、ペタン大佐。慧眼です。某18禁のゲームをプレゼントしたいぐらいです。


「ま、そういうわけで、我々は戦果を求められています。戦果を上げればそれだけ連合軍の実現が楽になります。最初の連合軍として各人その責務を果たしてください。ワラキアのためとか、ガリアのためとかそんなのは余り問題ではありません。我々の目的はただひとつ。この戦争を終らせることです。そう。なんとしてでも、世界が滅びるその前に」


ガリアの軍人達は一斉に椅子から立ち上がり、会長に対して敬礼をした。これから忙しくなるなぁ。俺はその訓練とやらに参加させられるのだろうか。ガリアの皆と一緒に前線に立つことになるのだろうか。俺の生き死には会長のさじ加減ひとつで決まりそうだ。


できれば後方勤務がいいなぁと、そんなことを思いつつ渋いおっさんどもが年端のいかぬ会長に対して敬礼をする夢の如き非現実的様相をぼんやりと眺めて過ぎ去る一日でした。

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