白昼夢
ここはどこだ?
僕は何をしているんだ?
なんだ?暗い。目の前がやっと見えるくらいだ。
ん?何かを踏んだようだ。
僕は下をゆっくりと見た。
肌色の何かが光に当てられる。
足が微かな弾力を感じる。
なんだろう?このフワフワしたもの
明かりがゆっくりとわずかな弾力を感じるそれを照らした。
だが僕の体が見ることを受け入れることを拒否した。
そこにあったのは
人間の首だった。
もう目玉はえぐれもはや首としての原型はとどめてない。
「うわ…………ああ…………………」
僕の体は後ろに歩を進めた。
足音が闇の中に消えた。
それと同時にその足音が向こうから帰ってきた。
僕は立ち止まった。
明らかに僕は帰ってくる足音の主がわかった。
僕は狂ったように叫んだ。
「こないでこないでこないでこないでこないでこないでこないでこないで!」
足音はもうすぐそこまで来ている。
体が後ろに歩を進めた。
人の首が一瞬で砕けた。
体が恐怖に包まれる。
一歩と動かない体を必死に動かそうとする。
どうしよう・・・逃げないと逃げないと逃げないと逃げないと逃げないと逃げないと逃げないと逃げないと逃げないと逃げないと逃げないと逃げないと逃げない
と逃げないと・・・
ナイフが僕の胸に突き刺さる。
「お兄ちゃん・・・」
あれ・・・聞き慣れた声がする。
僕の目は映した。
血に染められ瞳の色を狂気に塗った
「お兄ちゃんを殺せば全部だよ・・・」
もう僕は痛みすら感じない。
声も出ない。
葵がナイフを僕に突き刺さったナイフを力強く抜いた。
「お兄ちゃんの血凄く美味しい・・・」
葵が僕の血が滴るナイフを啜った。
そしてもう一度葵はナイフを振り上げた。
「じゃあねお兄ちゃん」
ナイフは僕の心臓を突き刺した。
目が覚めた。
どうやら死んではいないようだ。
弔は天井を見た。
見慣れた自室の天井を
ベットがやけに冷たい。
弔の頬を汗が滴った。
どうやらベットが濡れているらしい。
弔は起き上がった。
いつも通り日常が始まる。
弔はあたりを見回した。
「起きたわね」
弔は声がした方を見た。
開けた覚えのない窓が開いていた。
そしてその上に少女が座っていた。
少女は弔の近ずいてじっと見つめた。
年は葵と同じくらいだろうか。
「次はとむらよ」
少女は消えた。
今見たのは幻なのだろうか?
よほど疲れているのだろうか?
弔は自分に質問をぶつけた。
「お兄ちゃん朝ごはんできたよー」
葵が部屋に入ってきた。
日常は異変について長考する暇を与えようとはしない。
弔はそんなわかりきったことを考えながら自室を出た。
突然現れた少女の事を考えすぎた朝日は葵の笑顔を見たとき感じた恐怖の正体に気付くことはできなかった。
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