第3話 男には三種類いる

 女がいった。

「男には三種類います。勇敢なる戦士と、死んだ男と、戦わなかった男です」

 ある時、悪魔ラブエンドが現れていった。

「世界中の全人類に告げる。女は生きる価値のない生き物だ。よって、これからすべての女を皆殺しにする」

 そして、悪魔ラブエンドによって産み出された怪物たちが世界中に氾濫し、女を殺すようになった。

 男には三種類あった。勇敢なる戦士と、死んだ男と、戦わなかった男だ。

「どけ、離れるな、マリ。すぐ怪物を殺してやるからな」

「ダメ。怖いの。逃げさせて」

「ダメだ。どうせ、やつらは待ち伏せている。逃げる場所なんてない」

 男たちは戦った。勝利を得るか、死ぬか、それはわからなかった。だが、女のために戦って死ぬなら本望だった。

 女は次々と殺されていった。逆らわなければ、男は殺されない。

 男たちは戦った。銃、迫撃砲、ミサイル。前衛と護衛と兵站。それぞれに手を合わせて戦った。悪魔ラブエンドと世界を賭けた戦いだ。

 戦いはいつまでもつづいた。

 男には三種類あった。勇敢なる戦士と、死んだ男と、戦わなかった男だ。

 そして、時が流れ、女たちはいった。

「いい男はみんな死んじまったよ」

 遠く地平線の彼方に、勇敢なる戦士の生き残りが歩いてくるのが見えた。

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