第9話
で、その後は後輩ちゃんのちょっと気になる男子なんぞを聞いてその日は終了。
へーなるほど、あの子はそういう人を好きになるんだってのがちょっと意外だったけど、 この情報が役に立つ日はくるのでしょうか、神様。
はてさて、この後もそこそこ大変なんだよねー。
明日香の相談にのってあげなきゃいけないからなー。
辛いなー。
そんなことを考えながら今日も鍵を返しに先生のところへ。
「せんせー、恋って実らないと辛いものなんですか?」
今すっごい面倒くさそうな顔しましたよね。
生徒からの相談にそんな顔するなんて教師失格ですよ、ほんと。
「藪から棒になんなのかな……そりゃあ実らないより実ったほうが辛くはないんじゃないのかい?」
「でも先生、実った後のほうが辛いこともありませんか?」
「そんなこと考えてたら死ぬ時以外に評価なんてできなんだからさ、あんまり気にするものじゃないとは思うけどね。少なくてもその時その時の自分の希望を叶えることが多い人生の方が辛くはないんじゃないのかな。恋が全部実らない人生より恋が少しでも実る人生の方が良くないかい?」
「先生のその辺は辛いんですか辛くないんですかー」
大体聞きたいことは聞いたので先生を適当に弄って話を終息方向へ。
「僕の可哀想な話を聞いて楽しむのは勝手だけど、別に辛くはないよ。いや、辛かったの間違いなのかな」
実は先生のそういう話はある程度知ってるし、きちんと話すると長くなるのも分かってるからまた別の機会に。
では先生さようなら。
今週はあと一回くらいお話してあげますから。
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