第3話
そんなこんなで一日が終わり放課後。
今日は一日中寝ていた気がするんですけど気のせいでしょうか。
「今日は一日中寝てたけど大丈夫? 具合悪かったなら言ってくれればよかったのに」
寝てるだけで私の体調を気にかけてくれるなんてこの娘は天使か何かなのでしょうか、神様…
「別に体の調子は悪くないんだよねー。ま、ちょっと人生というかこの毎日に飽きちゃっただけ? みたいな」
なーんてことを私は笑い顔で明日香に話す。
多分飽きているのは私だけなのだろうけど。
「また華はそういうこと言う……ほら、早く生徒会行くよ」
心なしか明日香の声が弾んでいる。
私は別に行きたくはないんだけど。
そうはいっても役員にまでなっちゃったから行かなきゃいけないんだけど。
「はいはい、副会長くんにも会えるもんねー」
にやにやしながら明日香のお腹をつまむ。
窓の外から見える夕日みたいに顔を真っ赤に染めて、明日香は口をぱくぱくさせている。
「どしたの明日香? 行くんでしょ?」
本当にからかい甲斐がある子だねぇ……。
お姉さんは悪い男にダマされないか心配だよ……。
「華の馬鹿っ! 先行くからね!」
顔を真赤に染めたまま明日香は私の先を一人で歩き出す。
その背中を見ながら、私は少し泣きそうな気持ちになるのだった。
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