GAME START!

OPENING

 レトロな雰囲気漂う薄暗いゲームセンターの中。

 中央にデンと構えるミディタイプ筐体に映し出される映像。

 粗いドット絵で描かれた一枚絵の紙芝居。


 人類が産み出した文明は破壊され、高層ビルの残骸の上に植物が繁茂していた。

 植物の間に間に蠢くのは、蟲のような奇怪な姿。

 地球の支配者は、もう人類ではなくなっていたのだ。

 荒廃した風景をバックに、テロップが流れ始める。


――20XX年。

――突如宇宙から飛来した謎の生命体の侵略に、人類は敗北を喫する。

――だが、人類は滅びてはいなかった。

――地下に潜り、いつか日の当たる場所へ帰るべく虎視眈々と力を蓄えていた。

――長い月日の果てに産まれた、一つの光明。

――侵略者に対抗しうる唯一の手札、人類の最終希望兵器。

――吸収進化戦闘機 SLV-X 。

――今、人類の希望は銀の翼を駆る一人の男に託された……


 ドット絵の映像が切り替わる。

 火山の火口から飛び立つ、孤独な戦闘機。

 銀の軌跡を残して、侵略者達へと立ち向かう……


 飾り気のない無骨なタイトル画面を経て、デモプレイが始まる。

 色分けされた敵機を、多彩な武器で狙い澄まして撃ち倒す。

 筐体には、デモを真剣に見つめる少年の姿。

 それは、財部銀路。

 彼は一人ではなかった。その傍らには……

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