第1章 降魔の儀式 1-1

「ーーーー。というわけで、世界はこの地上、通称グラウンドのみを残したというわけです。」


ーキーンコーンカーンコーンーー


「今日の授業はこれまでです。みなさん今週末にはいよいよ降魔の儀式ですね。しっかりと予習復習をしておくように。」


そう言い残して何処かサラリーマン風の講師は教室を去っていくのをエルはぼーっとした目で見ていた。



ここは『グラウンド』と呼ばれる世界だ。


この世界は七つの都市国家が存在感し、それぞれ一つの『魔』と呼ばれる主を信仰している。


エルたちが住むこの第一都市の名は『ルシフ』といい、我等が信仰する魔はルシファーと呼ばれる主だ。


その他にも、第二都市『サターナ』、第三都市『ベルフ』、第四都市『ゼブブ』、第五都市『アスモデル』、第六都市『レヴィア』、第七都市『マーン』、とそれぞれの主に因んだ名がつけられている。




この世界が地上グラウンドと呼ばれているのは、遥か昔、この世界が出来た頃、この世界は天界と地界、そしてこの地上の三つで世界は構成されていたらしい。


だが、大昔にラグナロクと呼ばれる戦争で天界と地界は何処かに消え去り、この地上グラウンドだけが残ったとされる。

しかし、今でもこの地上グラウンドと地界は深く繋がりがある。


その繋がりの副産物が魔物と呼ばれる所謂モンスターだ。


魔物モンスターはこの世界の至るところに独自の生態系を築いており、その危険度からF,E,D,C,B,A,AAダブル,AAAトリプル,Sの九段階に分類されている。



この繋がりはモンスターを派生させただけでなく、エルたち人族にも力を与えてくれている。


それは、地界を治めていたとされる七王に降魔と呼ばれる儀式を得て力を借りることが出来るということだ。


どういった理屈かは殆ど解明されていないらしいが、降魔の儀式を通じて、それぞれの王に力を借りることが出来るらしい。



王といっても、正確には王の眷属と、されているらしいが。



「エル!どうしたんだ?ぼーっとして」


エルが今の授業の内容を振り返っていると、不意に声をかけられた。



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