第2話目よ。平伏しなさい。
私たちの登場を待たずして一話完結の話なんて聞いたことないわよ。あいつ何勝手に終わらせているのかしら。人生終わらせてやろうかしら。ぶっ殺してやろうかしら。ボキボキ。
いや、あの。私に真顔で淡々と言われてもどうしようもないんだけど。それと最後のボキボキってなに?
なにってそれは勿論指の骨をこう、ボキボキって鳴らした効果音に決まっているじゃない。
決まっているじゃないって。それは、そうかもしれないんだけどなんでわざわざそれを指を鳴らすんじゃなくて自分でボキボキって言っちゃうの。
だってこれ、100%文字だけで語るんでしょう?音、出ないんでしょう?だったら自分の口で効果音を出すしさないじゃない。
だすしさ?
出すしか、よ。噛んだことにいちいち反応しなくてもいいのよ。そういうところが性格悪いって裏でコソコソ言われるんじゃないの?
ちょっと待って、それは、どういうこと!?
言ったままの意味よ。ぴゅーぴゅー。
言ったままって。うーん。最後のはもしかして口笛の音?
もしくはジャガーの音よ。
ジャガー??って??え??
あれ?知らないの。って、私もタイトルくらいしか知らないのだけど。
それくらいの知識でネタを振られるこっちの身にもなって!!
それは無理よ
おい
まぁ、そんな事はどうでもいいじゃない?そんなことよりもまず私たちがするべきは自己紹介じゃないかしら?
うーん。自己紹介はいいんじゃないかな?だって1話でも名前はいってないみたいだし。
おい。何してくれてるのよあいつ。殺してやろうかしら。
聞こえちゃうよ?
大丈夫よ。あいつ授業中だというのに素知らぬ顔で寝ているもの。授業をなんだと思っているのかしら。
それを言えば授業中だというのに素知らぬ顔で話してる私達も似たようなものだと思うんだけど。
私たちはいいのよ。別に。そういうことにしましょう。そして自己紹介をしましょう。私の名前は山田花子。17歳の高校二年生。ピチピチJKよ。
山田花子って誰!?
まぁまぁ、落ち着いて太郎さん。
あんまり言及はしたくないのだけど太郎さんって?
それでは紹介しましょう。私、山田花子と話をしているのは、同じくピチピチJKの田中太郎さん。
性別変わってる!女子高生なのに太郎ってややこしい!!!
細かいことはいいじゃない?太郎さん
いいや!細かくない!これについては正式に抗議させて貰います!
あ、はーい。すみません。ほら。太郎さんが大きな声を出すから社会に出たこともないくせに威張り散らして子どもを見下しているクソみたいな大人に注意されたじゃない。胸糞悪いからメカニカルペンシルでも投げてやろうかしら。太郎さんもやる?背中に直撃すれば5点。耳に当たれば10点。見事後頭部に的中すれば25点という今や全世界の学校で大流行しているやめられないとまらないのキャッチフレーズでお馴染みのシャープペンシルダーツ。
色々とツッコミどころはあるけれど!オールスルーさせてもらいます!
オール、スルー??スルーって投げるって意味のスルーよね?全部投げるってことは筆箱の中に入っているシャープペンシルから三角定規やコンパスやハサミやカッターや剃刀やナイフも投げるということ?
こらこら!投げるはスルーじゃなくてスローでしょう!
な、なんですってぇぇぇぇ!?!?!?あ、はい。座ります。
知らなかったふりをしない!そしてオーバーリアクションをしない!大声を出しながら席を立ったりするからまた怒られたじゃない。
し、知らなかったわ。太郎さんがそんなに英語に詳しいなんて。
ちょっとまって!!!あ、いえ、何でもないです続けてください。
オーバーリアクションをするなと言った数分後に自分がオーバーリアクションをして怒られているじゃない。滑稽だわさ。
だわさって。誰のせいだと思ってるの!
そうやって責任転嫁をしないでくださる?太郎さん。
知ってると思うから言っておきますけれど、山田花子さん。私は貴女よりも英語の成績は上です。英語の、というよりも全教科上です。
あぁ、また始まったわ。私頭良いです自慢。やれやれ。
自慢なんてしてません!!事実を述べているだけです!
ところで、全教科と言いますけれど、こと体育においては私の方が成績が上であることはご存知かしら?
上って言っても評価点が少し違うだけで評定としては同じじゃない。
それを言ってしまえば私だって全教科5段階評価でオール5ですけれど?
あれ?そうだった??いやぁ、びっくり、びっくり〜。
なに知らなかった風にしているのよ。知っていたでしょう?今読者をさりげなく騙そうとしたでしょう?
あ、ほら。花子さん。ノートとらないと先生そろそろ黒板消しちゃうよ?
話を逸らそうとしたって無駄なことよ。って待って。まだ消さないで、あぁ。
あはは。消えちゃったね。
消えちゃったねって太郎さんも板書まだでしょう?
ううん。私はもう終わっちゃったよ?
え、いつの間に?
花子さんと違って私前向いているし、話しながらでも書けるもの。
天女のように美しつ菩薩のように優しい太郎さんなら後でノート写させてくれるわよね?でしょう?
うーん。どうしようかなぁ。いくら払う?
聞きましたか皆さん。この人案外ゲスなんですよ。下衆の極みなんですよ。将来不倫とかするんじゃないかしら。
しないからやめなさい。あ、授業が終わる。
やっと帰れるわね。
うん。でもまだ掃除とか終学活とかがって、鞄持ってどこいくの。
帰るに決まっているでしょう?
そんなさも当然のように言われても……
それじゃあ花子さん。担任にはうまく言っておいて。
まって!私が太郎で貴女は花子!って行っちゃった………はぁ。言い訳めんどくさいなぁ。私もかーえろっと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます