好きになっちゃいけない 1
隆士「瑠璃ー!今日部活になっちゃったから一緒に帰れない!!マジごめん!!!」
二時間目と三時間目の間の休み時間、サッカー部らしいすこしこんがり黒い肌の隆士は私の前にくるなり謝った。
瑠璃「ううん、いいよいいよ!部活頑張ってね!」
中学時代は陸上部だったけどもともと陸上が強い学校じゃないこの高校でテニス部やらダンス部やら女の子らしい運動部は充実してたけど入部しようと思わなかったしもちろん陸上1筋なわけでもなかった私は強豪校でもないウチの陸部にはいるのは考えてすらいなかった。
今は帰宅部だけど、試合前練習に出たい隆士の気持ちは痛いほどにわかるし、何度でも一緒に帰ることのできる私との約束より、一度の試合に集中してほしかった瑠璃はあっさりと承諾した。
隆士「ありがと!!あっ、試合見に来いよな!」
隆士はゴツゴツした大きな手で頭をくしゃりと撫でるとそのままA組からいなくなっていった。
知里「ねえねえ?隆士くんの彼女さん?わたし近藤知里っていうんだけど、よかったら仲良くしない?」
近藤知里と名乗る彼女は一年生の頃から名前は知っていた。
かわいくて目立つタイプの女の子で友達のいない私にとってこれほど優良物件はなかった。
瑠璃「もちろん!よろしくね」
知里「私のことはちいって呼んでね!」
そう言うとちいはにこりと笑って自分の席に戻っていってしまった。
わたしも青い空に校庭に見えるソメイヨシノがよく見える窓側の自分の席に腰かけた。
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