第6話
前述の通り、二人が、というよりは僕が二人は付き合ってるんだ、ということを意識し過ぎてしまっていたのだと思う。
とはいえ端から見ればそれなりに仲良かったくらいがそれなりに疎遠になったくらいの違いだったのかもしれない。
それでもバイト終わりに飲み会とかご飯とか誘われても二人の時間の邪魔になるよなぁ、などと思ってどうしても断ることが多くなった。
それもあの人に言わせればただ自分が孤立してるのを見たくなかっただけ、と言われるけど。
そんな風に二人を避け気味であった僕だけれどあの二人の関係は見てていいなぁ、うらやましいなぁ、と思っていた。
過度にべたべたするわけでもなく、それこそありきたりな言い方をさせてもらえればいい距離感だった。
とはいえあの時の僕、いや今の僕もそうかもしれないが本当にあの二人の関係に憧れてたのか、ただそれこそ近くにいた付き合ってるカップル、というものに憧れてたのかは分からないけれど。
そうやって遠慮していた僕に対しても二人は優しくしてくれていたと思う。
だから僕は多分あの時自分から歩み寄って、あの二人ともっと触れ合うべきだったのだ。
そうやってもっと二人と仲良くすることが、あの時起こる出来事の結果には全く関係はないにしろ、きっと僕の心は幾分か救われてこんなにもこんなことで思い悩む必要もなくしていただろうから。
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