第4話「やはりそうなるのか」

 しばらくして、現時点での最新話まで読み終わった彼女達が僕の方を向いて言った。


「わたし達にあった出来事が大まかだけど書かれていた。わたしがあれを覗き見してたことも」

「……わたしがあの本読んでた事も」

 ぼかさなくていいよ腐女子姉妹。

 BL本読んでたり男同士の……を水晶玉で覗き見してたんだろが。


 二人共綾波系のつもりが、違う方に行ってしまったもんな。


「こんな事って、あるの?」

 二人共戸惑っているようだった。


「あのさ、これは僕のアホな妄想だけど」

「はい?」

「僕が書いてる小説って僕が考えたんじゃなくてさ、どこか別の世界の状況が何かの力で見えてるんじゃないかなって思うんだ」

 これは本当にそう思ってたりする。


 僕だけじゃなくて物語を書いてる多くの人が、なんて多くの作家さんに失礼な事だけど。


「たまたま僕には君達の世界の事が見えていた。そしてそのせいか知らないけど、君達の世界とこの世界を結ぶ道が大きく開いて、君達がこっちに迷いこんじゃったとかじゃないかと」


「……ないとは言い切れません。本当にそうなのかも」

「お姉様、ならもう一度転移すれば帰れるんじゃ?」

「ユカ、気づいてないの?」

「何に?」

「実はさっき隆生さんが台所に行ってた時に転移魔法使おうとしたの、でも発動しなかった。他の魔法も……わたしから魔法力が消えてるの」

「ええ!? じゃあわたしが……あれ、わたしも」

「やっぱりユカもなのね。どうしよう、これじゃ帰れないわ」

「お姉様、こうなったらゴニョゴニョ」

 ユカはミカに耳打ちした。

「そうするしかないわね」


 おい、待て。だいたい何かわかったぞ。


「あの、すみません隆生さん。わたし達をしばらくここに置いてもらえませんか?」

「お願いします」

 ミカとユカが頭を下げてそう言ってきた。

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