第2話「そこにいたのは……」

 僕の名前は仁志隆生にしりゅうせい

 二十六歳で独身の平凡なサラリーマンである。

 仕事では一応それなりの評価はしてもらっているが、特別凄いというわけでもない。

 たいした趣味はなかったが、最近ブログで小説もどきを書くようになった。

 正直下手な物にもかかわらず、何人かの人は毎回読んで感想を書いてくれる。

 本当にその人達には感謝である。



 今日も仕事が終わって家に帰った。

 僕の家は下町にある築三十年近くのマンションだ。


 古いのと駅から少し離れているせいか、部屋が二部屋で広いわりには家賃が安い。 そこに僕は一人で住んでいる。


 一休みしてから夕食をとり、その後パソコンの前に座った。

「さて、あの話の続きを」

 そう呟いた時


 ズドーン!


 と大きな音がした。


「な、なんだ!?」

 音は隣の部屋からした。

 

 何か落ちたか?

 と思って部屋のドアを開けると


「え?」

 部屋の中で二人の少女が倒れていた。


 ……


 僕は固まってしまった。

 不審者が部屋にいたからではない。

 彼女達の姿があまりにも。そう、まるで。


「う、う~ん」

「いたた……あれ?」

 少女達は気がついたようだ。

「お姉様、ここは?」

「誰かの家みたいね、あ」

 お姉様と呼ばれた少女が僕に気づいたようだ。

 てかこの子達、もしかして?


「すみません、勝手に入ってきて。あの、ここどこですか?」



 そして話は今に戻る。

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