第8話 社長、私は変態ではありません!
今年の新年会の話です。
一次会が終わり、女子社員が帰ったところで、野郎ども有志で、二次会はキャバクラに。
参加者は社長、工事部長、総務部長、私(まあ、小さい会社なので)。
もちろん、ブラスすることキャバクラの姉ちゃん数名。
ははは、まさに絶好のいじられタ~イム。
「この中に有名人がいます。さて何者でしょう?」
部長だか総務部長だか忘れましたが、姉ちゃんたちに出題。
「え~っ、わかんな~い」
さんざんじらしたあと、こうおっしゃいます。
「小説家です」
「え~、すご~い!」
「こちらが南野先生です」
と、私は小説家の南野として紹介されました。
すかさず、部長のつっこみ。
「で、こいつ、知ってる奴を登場人物として出すんだぞ」
「え~っ、そうなんですかぁ?」
「俺なんか小悪党だからな」
まだ根に持ってやがったか。
こうして私は、彼女たちの前で、上司を話の中に登場させていたぶる最悪の小説家ということになりました(泣)。
盛り上がるふたりの部長。
しかし、社長はその話を知らなかった。
「え、なになに?」
ということで、WEBに小説を書いていることを話しました。
すると、なにを勘違いしたのか、社長、
「俺の娘に読ましてみようかな」
などととんでもないことをおっしゃりました。
すかさずスマホで「南野海」を検索。
見つかったのが、WEB小説投稿サイト「小説家になろう」。
作品名「正義の味方は三時から」と「ねこねこお嬢様」(このふたつは「小説家になろう」と「カクヨム」ふたつのサイトに同時掲載しております)
社長の態度が変わりました。
「え、これ娘に読まして大丈夫?」
「正義の味方」のほうは暴力描写、残虐描写ありのタグがついています。その辺を心配したようです。
そして「ねこねこお嬢様」のほうには、なにやらタイトルに怪しい予感がした模様。
「これ、ほんとに大丈夫?」
「大丈夫ですよ」
どんだけ心配なんだよ。
っていうか、どんな内容を心配してるんですか?
べつにポルノでもなんでもないですからっ!
「僕のことをどういう目で見てるんですか?」
「変態」
あのなあ。
「よからぬ事件を起こさなければいいと思ってる。ははは」
ははは、じゃねえっ!
ひとこと言っていいですか?
私を面接して、採用を決定したのはあなたですからっ!
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