第4話 南野映画化目前? なんだってぇえ!
ある日、打ち合わせに事務所に戻ると、ある人にこう言われました。
「○×(本名)さん、あなたの作品、もう少しで映画化されるところだったんだって?」
「はっ?」
いったいなにをいってるんだ、こやつは?
「すげえな」
ああ、たしかにすごいな。もしほんとうのことだったら。
はは、もう驚かないぞ。こんな適当なことを言いふらしてるのは……。
所長に間違いない。
しか~し、よくよく話を聞いてみると、この件で暗躍していたのは、元請会社の若手社員。というか、新入社員。ぴかぴかの一年生。
こいつ、ネットで、「南野海」の名前を検索しやがった。
そして私が「堕天使の羽根」という作品で、福山ミステリー文学新人賞で最終候補に残り、本選考で落ちていたことを突き止めていたのです。
この通称福ミスというコンテストは、本格ミステリー専門の新人賞で、受賞者はプロデビューしています。
とくに第一回目の優秀作、「少女たちの羅針盤」は映画化されているのです。
受賞作、映画化。
南野作品、最終候補、おしい。
もうちょっとで、映画化されるところだった。
という穴だらけの三段論法で、「南野の作品、映画化寸前」というとんでも結論になったらしい。
いやあ、まあ、いいんだけどさ。
っていうか、もしほんとうに映画化されたら、きっと舞い上がっちゃうよ。
でも、その前に小説家としてデビューしなくっちゃね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます