第17話

「萌! ちょっと萌!」



その場に崩れ落ちた萌に、美馬が慌てて声をかける。



「萌大丈夫?」



かなと亜希奈もしゃがんで声をかけた。



「あ、ああ、大丈夫」



萌は我に返って三人を見る。



「熱中症かな?」



かなは手を萌の額に当てた。



「ごめん大丈夫だから」



萌は笑顔を作って立ち上がる。



「本当に大丈夫?」



美馬が心配そうに聞いた。



「うん。もう大丈夫。一瞬立ちくらみがしただけだから」



「そっか、でも気をつけてね」



「うん。有難う」



四人はまた歩き始める。



すぐに亜希奈たちが楽しそうに話し始めるけど、萌は今自分の身体に起こったことを考えていた。



「今のはいったい?」



立ちくらみみたいになったのは、生まれて初めての経験である。



さっき話題になった、四十九日の呪いと関係あるのだろうか?



ずっとそんなことを考えていたら、みんなに昨夜のメールのことを話しそびれてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る