第16話

「四十九……」



四十九という言葉で、萌は昨夜のメールを思い出した。



離婚されて家を追い出された母親が、子供に呪いを……。



「どうしたの萌?」



美馬が心配そうに顔を見る。



「まさか……」



「え? 何がまさかなの?」



美馬が萌の顔を覗き込むように見つめた。



「どうしたの萌?」



かなも不思議そうな顔をする。



「そういえば萌も、ママが離婚して出て行ってるんだよね? もしかしてメールが来たんじゃないの?」



亜希奈が冗談っぽく微笑む。



「メール?」



萌は聞き返した。



「うん。呪いにかかったら、わら人形のある場所が少しずつ分かるように、毎日写真がメールで送られてくるんだって。呪いをかけた人がそこに行くまでに見た景色の写真。だから呪いをかけられた人は、それを頼りに四十九日以内にわら人形を探さなきゃならないらしいよ」



亜希奈の説明を聞きながら、段々萌の視界が真っ暗になっていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る