第9話

部活の為に自宅を出た。



学校までは自転車で15分の距離である。



「どうしようかなぁ……」



萌はため息を吐く。



家族に迷惑に思われたくないから、部活を休むべきかどうか…………。



普段の学校の日なら、遠慮することはないんだけど、今は夏休みである。



そもそも萌の所属するバスケットボール部は、県内でも底辺の弱さだし、そして萌はそのチームの補欠である。



萌が休んだところで、チームには何の支障もきたすことはないのだ。



さらにもう一つ。



練習で使用しているバスケットシューズ、いわゆるバッシュもそろそろ限界に近づいていた。



でも、新しいのを買ってほしいと切り出せないし……。



ただそんなに上位を目指して力を入れているチームではないのに、夏休みの間練習を休みたいなんて切り出したら、先輩たちに責められるのは必至だろう。



それに同級生の仲間からも顰蹙を買いそうだし……。



そんな状況の上に、あんな気持ち悪いメールが送られてくるなんて、萌は本気で泣きそうだった。

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