第7話

新しい母も姉も、シンデレラの継母のように冷たく接してくることはなかったけど、どうしても萌は心を開くことが出来ないのだ。



おそらくそれは、ママがいなくなってからずっと、同居している大人たちに対して、心の壁を作ったまま何年も過ごしたせいだろう。



萌だってもう子供じゃないのだから、そんなことは分かっている。



でも、萌にとってのママは、萌を産んでくれたママだけなのだ。



それに、弟を中心に楽しくやっているあの人たちに、今更割り込んで行って迷惑がられるのもイヤだし……。



ママに会いたい。



萌はずっとそう思っていた。



なのに、そのママらしき相手から、こんなにも不安にさせられるメールが届くなんて……。



萌はどうすることも出来ない不安な気持ちで、その後も中々寝付くことが出来なかった。



朝目覚めて時計を見ると、時刻は八時半。



あまりの暑さに、汗びっしょりだった。



今日は部活の為に、10時には学校に行かなければならない。



萌はベッドから起き出すと、パジャマ代わりのTシャツと短パンのまま、部屋を出てリビングに向かった。

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