第6話
六年前にママが出て行ってから、パパとパパの両親であるお祖父ちゃんとお婆ちゃんと四人で暮らしていた。
萌はママっ子だったから、ママを追い出したお祖父ちゃんたちも、パパのことも嫌いで、その間の生活はとても苦痛だったのだ。
そんな日々を三年ほど過ごしていたのだけど、三年前にお祖父ちゃんとお婆ちゃんが事故で他界してしまい。それからしばらくはパパと二人になった。
ところが去年、突然パパが女の人を家に連れてきたのだ。
赤ちゃんが出来たので結婚をすると言われ、その日から40歳の女性と萌より三つ年上の、その女性の娘と暮らすことになった。
一番多感な時期に、突然知らない人たちが家に入り込んできてしまったのだから、元々ママっ子の萌には、それも苦痛以外の何物でもなかった。
それから一年。新しい母親は男の子を産み、萌はお姉ちゃんになったのだけど、未だに新しい母親にも、新しい姉にも懐けないでいるのだ。
赤ん坊の弟を中心に、いつも楽しそうに会話をする家族の輪に、萌は入ることが出来ないままだったから、何かあっても相談出来ないし、するつもりもなかった。
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