第8話 チーム『FC7S』結成!

【天月学園・生徒会室】

 今日は朝から土砂降り雨。雨の日ほど退屈な生徒会はない。

 窓際に立つ神人は校庭を眺めつぶやいた。

「雨て暇だよな。梅雨に入ったら頭にカビ生えんぞ」

「神ちゃん暇なら手伝ってよ~。予算案とかの書類たくさんあるのよ」

 会長席に座り珍しく仕事をしている会長がぼやく。

「どうせニャンコも雨で暇だから真面目に仕事してんだろ」

「当たり前じゃない!晴れなら仕事なんてしないよ」

「お前それでよく生徒会長になれたなw」

 まあ、コイツが生徒会長になれたのは立候補者がいないからだがwでもニャンコはなぜ立候補したんだろ?疑問に思っている時、漫画をみていたミカンが神人の話にくわわる。

「天気予報みないでも雨ってわかるよ~」

 心あたりがある葵も雑誌をみながら答えてくる。

「あーVCでしょ。私もやってみたから解るわよ」

「確かにVC使えば天気予報より確実だよな」

「そうですね。明日の出来事がわかるのでズルい気もしますけど」

 会長と書類を整理していた巫女。なにか微妙な感じみたいだ。

「ズルくはないかもよ。結構エグいやつ見る時もあるし」

 ワンコはメイクしながらVCで見た映像を思い返してるようだ。

 エグいやつか~。今まで見てきたので想像は出来るなwでもエッチなのも見れるから悲観的にはならないな。けど女子はどうなんだろ?男の裸とかで興奮するのか?う~ん。神人は変な疑問にぶち当たった。

 

「けどツボネの時はホント助かったぜ。人生最大のピンチだったし」

 ゲームをしていたバケツがツボネ事件を振り返る。

「そうだなアレは未来を変えた瞬間だよな。普通なら確実に助からん!w」

「未来を変える生徒会ですね」

 俺の言葉に巫女ちゃんが洒落たことを言う。話を聞いていたバケツは少し考えたあと、ピンときたのか口をひらく。

「なら前に言ってたチーム名『FC7S』でどうよ」

 バケツにしては中々、良い感じだな。でもどういう意味だ?そう思った神人はバケツに意味を聞いてみた。

「おっ響きは良くなったな。セブンて俺たち生徒会7人のことか?」

「未来を変える7人の生徒てことかな?」

「そうだよミカンちゃん。なかなかいいでしょ」

 バケツはドヤ顔。なるほどな~。でもバケツよ~。おまえ英訳しただけじゃないかw巫女ちゃんのおかげだと思う神人。


「Future=未来。Change=変える。セブン=7人。Student=生徒。ですね」

 と巫女ちゃんが改めて訳してくれる。

「お~チームFC7Sいいじゃない!神ちゃんそれで行こうよ」

 会長は俺に同意を求めてくる。それに応えた。

「俺は良いと思うぞ。普通とは違う感じするしな。みんなはどうよ?」

 チョーダイ生徒会よりは涙がでるほどカッコいいぞ!と思う神人。

「バケツにしてはナイスかもね。構わないわよ」

 葵も同意。でも内心は巫女ちゃんのおかげでしょと思っている顔つきだ。

「良いんじゃない。悪く無いっしょ」

 ワンコは皆がOKなら構わない様子。

「私も賛成でいいですよ~」

 ミカンと巫女は賛成数も多いし問題ないようだ。

「じゃ生徒会メンバー改め『チームFC7S』結成ね!」

 と会長が叫んだ。


「チームはそれで良いとして活動方針は人助けか?」

 神人は皆にどんな活動をするか確認。巫女が応える。

「それが良いと思います。会長が目安箱も置いてますし」

「そういえば置いてたな。ニャンコ相談来てたか?」

 目安箱と聞いた会長の様子がおかしい。

「お前もしや、見てないのか?」

「ギクッ!あれは神ちゃんが見る係でしょ!私は設置係だよ」

「お前な~なめてんのか!」

「ナメてないにゃ~ん♡なめて欲しいの?」

 コイツ~ナメきってやがる。フランクフルト突っ込んで奥歯ガタガタ言わすぞ!と言いたいけど言えない神人。チッしょうがない。

「俺が見てきてやるよ。後でなめろよ」

 そう言うと神人は生徒会室を出て行く。


を?ホッペかな?」

 神人の言葉の意味がわからず不思議そうに見送る会長。

 ワンコ(神人のエッチ!私が将来してあげるっしょ)

 ミカン(神先輩、大胆です~。練習した方がいいのかな~)

  巫女(ナメるとは何なのでしょう?上履き?)

   葵(ロリロリ会長に言うなんてアイツ変態だわ!)

 バケツ(俺もまぜてくれよ神人。俺たち親友だろ)


 下駄箱まで歩いて行く神人。面倒事はいつも俺だよな。まあ、やっと退屈からは抜け出せたけど。何か入ってれば面白くなるけどな~。と思いながら下駄箱についた神人。目安箱を振る。(カサカサ)

「あれ、音するな」

 中身を取り出す神人。入っていた紙を見てみる。

「え~と。『僕はイジメられています。助けてください』!!!」

 神人は紙を握りしめ生徒会室まで走る。ダダダ・・・。


 そして到着すると憩いよくドアを開け叫ぶ。

「大変だ!コレを見てくれ!」

 とテーブルに紙を置く。覗きこむメンバー。

「・・・」

 どう対処すれば良いのかわからず沈黙するメンバー。

「イジメか~。これ難しい問題だよな。イジメてる相手シメても意味ないし」

 そう言ってバケツは悩んでいる。皆も同意見で考え込む。

「どうにかしてあげたいけど、先生に言ってもダメだろうし」

 ワンコも難しそうな顔をしている。


「差出人は誰なんですか?」

 巫女の言葉に会長が紙を調べ皆に伝える。

「裏に1-Aの新堂てあるよ」

 会長の言葉を聞いたミカン。心あたりがあるようだ。

「それ私のクラスの人だよ。顔だけはわかるけど」

「一度状況を見たほうが良さそうよね。万一てこともあるし」

 葵の言葉に確かにと俺も思った。

「ここは同じクラスのミカンちゃんに、お願いするしかないかな」

「わかった。明日のお昼にやってみるよ」

「FC7Sの最初の依頼だね。けど難題だよ~」


 皆はVCを使いこの問題をどう乗り切るか考えていた。イジメてる相手はすぐに解るはず、問題はそこからだ。明日なにかわかればいいけど。

「ミカンちゃんの結果待ちだな」

「そういや神ちゃん。さっきナメろって言ったよね。ナニかな?」

「ああ、言ったな。ホレなめろ」

 と上履きを会長に差し出す神人。

「なめれるわけ無いでしょ!神ちゃんの鬼!」

「ナメたら食いもんやるぞ~」

「ウソだ!!!」

 会長は劇画調の顔で叫んだ。


 チッ!食べ物しか無理か。ならアレ買ってやって舐めさせるか。

 エロいしなニヤッ。神人は不敵な笑みをこぼす。

「しょうがね~な。じゃ俺のフランクフルトなめろ!か」

「それならナメる~」

 即座に応える会長。食べ物の事しか頭にない。

「神人のバカーーー!」

 ドスッ!『ウゴッ!』ワンコの飛び蹴りが神人にきまる。

「先輩セクハラです!」

 同時に応える巫女とミカン。顔が少し怒っている。

「猫ちゃん意味が解ってないのね。神人さいて~」

 葵の冷たい視線が神人に突き刺さる。そこへバケツの言葉。

「なんか神人の言葉って続きがあった気がするけど」

「イテテなにすんだよ!買ってやるからナメろのつもりが蹴られたぞ」

「アンタそれでもセクハラよ」

 葵にはバレバレ。

(神人ったら私がチュッパ舐めてる時みてよ)と思うワンコ。

 みんなの視線が冷たいな。退散するか。

「あっ!用事思い出した先帰るわ」

 ガラガラ。生徒会室を出て行く神人。


「ふ~これで安心だな。さて家に帰るか」

 神人は下駄箱へ向かい廊下を歩いて行く。すると聞き覚えのある声が神人を引き止めた。振り向く先にツボネ教頭。

「あら生徒会は終わり?」

「あ~はい。今、終わりました。先生も仕事終わりですか?」

「あと少しで終わりよ」

「白井先生と、その後どうですか?」

「ヤダ~それはないしょ♡それじゃ行くわね」

 神人に背を向け廊下を歩いて行くツボネ。

 内緒と言われると気になる!今日はVC使ってないし見てみるか。

 歩いて行くツボネの背中を見つめ『チョイス』と神人は言った。

 仮想空間突入。時間が止まり、ツボネの選択肢が頭上に現れる。


1,今日はデートなのよ。速く帰ってシャワー浴びないと

2,速く帰ってシャワー浴びたいわ。下着は何が良いかしら

3,この前はキスだったけど。今日の食事の後は・・・。

  キャー♡速くシャワー浴びて準備しなくちゃ。


「順調みたいだな。でも、この選択は凄く気になるな見てみたい!」

 神人は『1』を選択。選択が消え映像に切り替わる。

『ルンルン♫』と鼻歌を歌いながらシャワーを浴びるツボネ。

「す、すげー!NEWプラモだ!」

 神人が見たツボネの裸体はとても40には見えないナイスバディー。

 今まで結婚してないのが不思議なくらいだ。

「バケツよグラビアモデルみたいだぞ!もったいないことしたかもな」

 いつも地味な服のツボネ。見た目で判断できないと神人は思った。

 リバース『2』を選択。

『勝負は赤よね』ツボネはスケスケ下着に着替えている。

「ワオ!マチコ先生どころじゃないぞ!ムラムラする」

 白井先生、絶対に狼になるな。と神人は確信した。

「よし堪能したし帰るか。キャンセル」

 リアルに帰る。動き出す時間。目前にはツボネ。


「あっそうそう。風咲クン。馬・・・」馬尻君の事だけどと続くはずのツボネ。

「なみね」と神人の股間を見つめ応える。

「・・・」沈黙の二人。

 ツボネはも言わずに職員室に帰った。









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