第6話 夏ミカンは甘いのですよ
通学途中の
あれ今日は正門にツボネ教頭が立ってるけど何かあったのか?
『
服装は自由だから服装検査って事はないよな~。
神人は呼び止められる事は無いだろうと思い、正門を通過しようとする。
「ちょいとアナタ!見覚えある顔ね~?確か生徒会の神咲クンだったかしら?」
ドキッとした神人。人体模型の事か?と少し不安になる。
「風咲です!ところで今日は教頭先生が正門立つなんて何かあったんですか?」
「あら、ごめんなさい。えーとキス・・・」
「キス?てなんですか?」
神人の言葉に顔を赤らめて教頭は弁解する。
「いえいえ。アナタには関係の無い話です!最近、怪しい人物が出ているらしいから朝の見回りです!ホームルーム始まるわよ。速く行きなさい!」
ふ~ん。ツボネちゃんにも春がきたのかな?・・・ウオー気になる!VCでみたい!でもな~プライベートを覗くのは悪趣味だよな。やっと来た春だ暖かく見守ろう。と思いながら下駄箱まできた。
あれがニャンコが置いた目安箱だな。箱を降ってみたが音一つしない。
こりゃ駄目だw。まあ、悩み事相談ていっても、人に打ち明けれないから悩むのだし、相談するにも勇気がいるだろう。神人は気長に待つしか無いかと思った。
今日は短縮授業で午前で授業は終わった。生徒会室へ足を運ぶ神人。
【生徒会室】
室内に入ると『う~ん』と何やら考え中のミカンが一人だけいる。
「あれ、ミカンちゃん以外来てないのか。ところでミカンちゃん何してるの?」
神人は珍しくゲームをしているミカンに声をかけた。
「あっ、先輩。この前バケツ先輩がしてた恋愛ゲームしてました」
「あ~あれか。『ドキドキ・メモリアル学園』だっけ?」
「そうです!意外と楽しいですよ」
「まあ、恋愛ゲームの攻略ならお兄さんに任せなさい!選択でわからない時は聞いてくれ」
俺は先輩らしくミカンちゃんに言った。マニュアル通りなゲームばかりだし、俺でも問題無いだろう。それにしても誰も来てないとはな、遅く来たはずに・・・。
ミカンちゃんと二人キリってのも初めてで落ち着かないな。
「あの~先輩。この女の子の選択どうすればいいですか~?」
ミカンちゃんが助けを求めてきた。俺の恋愛ゲームテクを見せるときだ!
「どれどれ~。ほ~金髪ツインテールね~。服装から見てもツンデレのギャル子ちゃんてとこだね。ワンコみたいだなw」
俺はゲーム画面を
「この手の女の子なら優しくしてれば問題ないよ。好感度はあがる!えーと選択肢は【その髪飾り可愛いねと
さすがに【俺と勝負しようぜ】は無いだろう。と思う神人。
「わかりました!先輩を信じます」
ミカンは【その髪飾り可愛いねと褒める】にカーソルをやりクリック。
ゲーム画面から流れる音声。
『あんたアタイをナメてんのか!ぶっ殺すぞ!』
「なんでだよ!コイツ頭イカれてんぞ!こっちが、ぶっ殺すぞ!」
神人はモニターをガタガタいわせて、
「神先輩。女の子にそんな乱暴な口はダメですよ~」
「だってツンデレしないんだぞ!このゲーム壊れてるって!」
「そうですか~?見た目で判断しないコレが普通だと思いますよ」
「た、たしかにリアルではそれが普通だね・・・。金髪ツインの固定観念がついていました。スミマセン」
ミカンに謝る神人。【俺と勝負しようぜ】が気になりミカンに試させた結果。
『いい根性してるな。男らしいやつは好きだぜ!』で好感度UPだった。
バケツ~お前の
ガラガラ~と生徒会室の扉が開くと会長が神人に駆け寄る。
「神ちゃーん!見てみて目安箱に1つ入ってたよ!」
「マジ?今朝、見た時は無かったけどな。どれ見してみ。なになに」
『今日のお昼ご飯で困っています。助けて欲しいニャン♡』
「・・・ニャンコ!自作自演はやめろ!コレどうみても、おめーだろ!ニャン♡は可愛いけどお前しか言わんぞ!」
「えーニャンくらいみんな言ってるよ~。ねえミカンちゃん」
ミカンに助け
「う~ん。言う人もいると思うよ~。決めつけは良くないニャン♡どうですか?」
「可愛いーーー!ミカンちゃんなら許す!まあ、会長も可愛いんではあるけど」
「神ちゃんは可愛い女の子なら誰でも許すんでしょ~」
「そりゃまあ、そうだろ男なら当たり前だ!でも可愛さを武器にイカサマは良くないぞニャンコ!罰としてVCの刑だなフフフ。お前が食べたいもの見てやるよ」
神人は会長にジリジリと近寄る。
「神ちゃん。や、やめて~それだけはやめてチョーダイ」
「そうかチョーダイして欲しいのかフフフ。おねだりするとは困った奴め」
怪しい目つきになる神人。壁ドン状態になり会長からVCを奪い取る!
「先輩。猫会長かわいそうです。やめたほうが良いと思いますよ~」
「ミカンちゃん甘い!たまには会長お仕置きしとかないと、飛んでも無いことばかりするぞ!ニャンコ!その代わり昼飯は選択次第でおごってやるぞ!」
「神ちゃんホント!ならやる~」
この人、相変わらず食べ物だと人権捨ててるなw。会長を
会長の頭上に選択肢が浮かぶ。
A、巨大フランクフルトが食べたい!でもお口にはいるかな~
B、特盛り牛丼食べたい!そういえば今日のパンツ牛さんなんだよね
C、お好み焼きもいいかも。デザートはアイスをペロペロしたいな
【Aだ!】おれは思わず叫んだ!
選択肢が消えると景色が変わり、未来のビジョンが映し出される。
『美味しいペロペロ♡でも大きくてお口は無理~先っぽしか入らないよ』
美味しそうに巨大フランクを舐めている会長。エ、エロい!だが時間をかけて見れないな。次はリバースして【Bだ】Bのビジョンが出る。
『今日のパンツはどれにしようかな?まずは水色クマから』
『お母さんが買ってきたコノ派手なパンツ履いてみよ』『白の牛さんでいいや』
『ガツガツ!神ちゃん牛丼おいしいよ!明日もおねがいするよ』
映像は横にコマ送りのように動いていく。体は幼いけどコ、コレは刺激が強い!
見ては行けない映像だったかもしれん!
キャンセルして現実へ戻ると顔を赤くした会長がいる。
「神ちゃん・・・そ、その~。前ふくらんでるよ・・・。何見たの?」
ガーン!刺激が強すぎて息子が
「い、いや~何でもな・・・。メシ食いに行くぞ!お好み焼きな」
「やったー!神ちゃんいこいこ。ミカンちゃんもいこう」
そう言うと会長は先に生徒会室を出て行く。ミカンちゃんが俺の耳元に話しかけてきた。
「神先輩やらしいです・・・。でもVCの事は秘密にします」
ガーン。もしかしてミカンちゃんも見てたのか!ニャンコは誤魔化せたけどバレたら全員に広まるからな~。ミカンちゃんだけで良かった。
それにしてもタイターさんは自分たちでVCの使い道を試せといったけど、Bを選択した事で俺は気づいた。VCは思考を読み取り過去の映像も再生する。
これはプライバシー無視の丸裸状態!恐ろしい機械だと改めて思った。
【お好み焼き屋】
ガッツク会長とゆったり食べるミカン。俺も適度にパクパクお好み焼きを食べていたが役員が少ない事を話題に振ってみた。
「なぁ、今日の役員少なくないか。バケツが居ないのは珍しいぞ。今日まったく見かけて無いからな」
「ホントだね、ワンちゃん、葵ちゃん、巫女ちゃんも来てないよね」
「部活の助っ人に行ったのかもしれないよ~」
ミカンちゃんの発言にそれはあり得ると神人は思った。けどな~バケツはゲーム研究会だ。それなら俺にも話きても良さそうだし、ゲー研て助っ人が必要なとこではないぞ。う~ん今日は何かが違う。
「あっ!ミカンちゃん見てて思い出した。母さんに帰りに魚買ってくるよう言われてたんだ。これ食べたら寄らせてもらうよ」
「先輩いつもご
「夏川鮮魚店はスーパーより新鮮で美味しいから、毎日食べてもいいくらいだ」
「お父さん神先輩の事、気に入ってますよ~。来たら喜ぶと思います」
俺も夏川のおじさんは好きだな。話しやすいし気さくな良い人だ。
お好み焼きを食べ終わると会長はアイスを要求してきた。
買ってもらうと「またね~」とそそくさ家に帰った。ゲンキンなニャンコだなw
神人はミカンの実家でもある鮮魚店へと向かう。
【ミカンの実家・夏川鮮魚店】
「よう神人の兄ちゃん!今日はミカンと二人で帰りかい。遠慮しないで、いつでもミカンをデートに誘ってくれていいぞ」
「オジサン相変わらずですね。ハハハ」
「お父さん!デートだなんて先輩が困りますよ~。ねえ先輩?」
「いや、ハハ、困りはしないけど」
「兄ちゃんも煮え切らねえな~。コイツにはガツンと言わないと伝わらないぞ!そうだ!まだ時間あるんだろ?家でお茶でもしてってくれ。ほれミカン連れてけ!」
「えー!お、お父さん・・・んもう。先輩どうぞ上がってください」
「いや~なんか悪いな~。じゃオジサンのお言葉に甘えて少しだけ」
俺はオジサンに耳打ちした。
「ミカンちゃん心配してますよ。オマケは平等にw」
「ああ、わかった!兄ちゃんも上手くやれよ」
とオジサンはニヤけている。と言われても、お茶飲んで帰るよ!恋愛ゲームならハッピー路線イベントだが魚屋に就職はもう少し考えたい!
【夏川家リビング】
「先輩のんびりしててください。わたしお洗濯とかしてきます」
「あっ、神人お兄ちゃんだ!」
ミカンちゃんの妹のソラちゃんが俺に抱きついてくる。保育園くらいの時って可愛いよな~。これくらいの時って俺の事どう思ってるのかな?ミカンちゃんは二階に上がっていったし少し見てみようかな。「チョイス」小声で言った。
仮想空間に入り選択肢が現れる!
【保育園児ソラちゃんの内容】
A、お兄ちゃんチューしよう
B、今日は一緒にお風呂はいれる?
C、お泊りしてよ~一緒に寝たいよ~
「15年後にもう一度さそってーー!」
最近の幼児はマセテルな~。お兄ちゃんは今日はどれも選択できないな。
キャンセル!現実に帰る。
「お兄ちゃーん。んー」
ソラちゃんは口をとがらせてチューの格好。もう自分で選択してたんだ!
ホッペにキスをしてあげるとキャッ。キャッと喜ぶソラちゃん。持ち上げて高い高いもしてあげた。
「あらソラ良かったね~。先輩遊んでくれてありがとう。ジュース持ってきましたのでどうぞ」
そう言えば
そこへ帰ってくるミカンの弟。
「ただいま~。なんだ兄ちゃん来てたのか!姉ちゃんともう一発やったか?」
「ブーーー!ゲホッ、ゲホッ」
「健太ーーー!先輩大丈夫ですか~?」
「なんだまだなのか。姉ちゃん速くしないと誰かにとられるよ~」
「もう健太のバカ~。おねえちゃんも頑張ってるんだよ!」
なんて会話してるんだ!健太は二階に上がり降りてきて俺を呼ぶ。なんだろうと近くへ行く。
「ほれ!姉ちゃんのパンツ。あげるよ」
「えーーー!」
健太が神人に見せたミカンのパンツは黒色のレースでリボンが付いている。
「先輩、大声だしてどうしたんですか?」
俺は何でもないと言ってパンツをポケットに入れた。願わくばミカンちゃんが弟をチョイスしないことを祈ろう。長居は無用!宝は手に入れた。
帰ろうとミカンちゃんとオジサンに挨拶して夏川家を出た。
【風咲家・神人の自室】
その夜、パンツを取り出しながめる神人。
「これがミカンちゃんのスーハー。スーハー。やばい
何度も何度も匂いを嗅ぐ神人。そんなとき母さんが俺を呼ぶ。
「神人、電話よ~。夏川さんから。降りてらっしゃい」
二階から降りて行き受話器を取る神人。
モシモシと言うとミカンの声が聞こえてきた。
「あの~神先輩。先輩が帰ってから下着が無いのが解って、怪しい健太をチョイスしたんです。でその~先輩が持ってると健太が言うもので」
「ゴメン!ゴメン!ついミカンちゃんのと思ったら欲しくなって魔が刺した!すぐかえす!今から持ってく!」
「明日でもいいですよ。私の下着が欲しいのは正直少し嬉しいです。でも勝手に盗るのはいけません。どうしてもって言うなら・・・。もう言わせないでください」
ミカンちゃん可愛いな。面と向かってパンツください!とはさすがに俺は言えん!好意だけ受けっておくよ。
「あの~先輩。それとですね・・・。先輩が勘違いしてるかもしれないので言いますね。その持ってる下着はウチのお母さんのです」
受話器を落とす神人。匂いまで
「あの先輩?どうしました?あれ?あれ~もしも~し」
この時、神人はお母さんのパンツ片手に全力で夏川家を目指していた。
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