第3話 衝撃の事実。貧乳と巨乳

 天月学園の裏山、神咲山かみさきやまでタイターと言う未来人に出会い、俺たち生徒会はバーチャル・チョイス=VCを譲り受けた。

 説明などを聞いていて帰りの事をすっかり忘れていた俺たち。気づいた時には日はかたむき夕暮れ近かった為、急ぎ下山することにした。


 タイターはもうしばらくは神咲山に居るとの事だ。帰り際にこの事は他言無用と念を押され、何か合ったら連絡をと、小型通信機みたいな物をくれた。


 俺はラブラドールのポン太を連れて獣道けものみちを引き返す間、VCの使い道を考えていた。試したいこともある。だが今は出来るだけ安全地帯まで出ることが優先だ。

 山が暗くなるのは早い。獣道を出た時には薄暗くなっていた。とにかく下り道を歩いて行く生徒会。


 小川の音が聞こえる所までは来た。さすがに日が暮れて辺りは暗い。下山に時間もかかる事もあり、俺はワンコを背負うことに決めた。


「ワンコ。俺の背中におぶされ!」

「わかったわよ・・・。勘違いしないでよね!仕方なくなんだからね!」

「お前な~ツンデレしてる状況じゃないぞ。もう足も限界だろう。血が滲んでる

じゃないか。後で病院に見せたほうが良いかもしれないぞ」

「家に帰って消毒すれば平気しょ!死にはしないって」

「山での怪我は破傷風はしょうふうとかあるからな。念のためだ」


 平気平気と言うワンコだがやはり心配だ。後で何かあってはな~。

 ・・・後で?これってVC使えば後でどうなるかわかるんじゃないのか!

 やってみよう!と思う神人はワンコに話しかけた。

「ワンコやはり心配だ。病院行かないと、どうなるかVCで調べたい!少しの間、VC外しててくれ」

「神人、心配しすぎ!でも、そんなに言われたら怖いし~サクッとみてよ」

 ワンコはVCネックレスをおあいあずけた。

「じゃ、行くぞ。病院行くか行かないか少し考えててくれ。チョイス!」

 仮想空間へ突入!ワンコの頭上に選択肢が現れる。

(こ、これは・・・。見てはイケないものを見た気がする・・・)


【ワンコの選択肢】

1,今日の神人なんだかカッコいい~。何だかドキドキするっしょ。コレあれなのかな恋?勘違いしないでよね!神人が言うから仕方なく病院行くんだからね!

2,心配は嬉しいんだけどさ~。病院は大げさじゃない?つばでもつけとけばいいっしょ!

3,神人が一緒に行ってくれるなら病院でもどこでも行く!神人LOVE♡


「でもこんな状況だし1と3は除外じょがいだな」

 俺は2を選択した。辺りの景色は消え2を選択した未来が映し出される。

「ココは?ワンコの部屋か?なんかお姫様みたいな部屋だな」

 ベッドからワンコのうめき声が聞こえる!神人は近寄って覗き込んだ。

「どうやら熱が出てるみたいだな。やはりバイ菌が入り化膿かのうしてるんだろう」

 ワンコの頭上には1択【病院に行こう】しかない。1択を選び、その先を見ると注射を打たれて治療を受けているワンコ。

「よし!後は現実へ帰り確実に病院に行かせる為3を実行するしかないか」

『キャンセル!』VCを解除し神人は現実へ戻った。


「ワンコ解ったぞ!病院行かないと痛い目に会う!俺も一緒に着いて行くから病院へ行くぞ」

「やった!あっ、いやなんでもない・・・。ありがと」

 ワンコは怪我の痛みはどこへやら見たいに喜んでいる。

(まあ、あれだ。ワンコに気があるわけじゃないんだからね!仕方なくついて行くんだからね!と俺も言いたい)


 ワンコを背負い再び山を降りる俺たち。俺は歩くのより背中が気になりだした。さっきからワンコの胸が背中にプルンプルン当たる!コイツ着痩きやせするタイプなのか。意外と胸大きいな・・・。

 あまり意識するとヤバイ!股間がふくれて歩きにくくなる!前方に集中!集中!それにしても暗い!バケツが懐中電灯で照らしてるだけで全く先が見えない。

 暫くすると分かれ道へ出た。生徒会メンバーは立ち止まる。


 葵 :アレ?こんな道だった?夜だとわかんないわね。

ミカン:う~ん。反対から見ると違うように感じるよ~。

 巫女:昼間でも下りは違う景色に見えますから。

 会長:あっ!あれあれ!VC使うニャン!

    神ちゃんばかり使ってるし、私にもさせて~。

    さあさあ、神ちゃんVC外して考えて!


『俺が~?』と答える神人の両手はふさがっている。

 背中のワンコが俺の首からVCを取り上げた。ワンコが会長にOKのサインをだす。(しょうがないか~)神人はどの道に進もうか考える。会長がチョイスを開始する。

『チョイス』と叫ぶと会長は仮想空間へ突入。神人の頭上に選択肢がでる。


【神人の思考内容】

A、さっきからワンコの巨乳が当たるからさ~やばくてやばくて。

  めちゃ柔らかくて気持ちいいんだよな。え~道だよな・・・左行こうか

B、このマシュマロみたいな感触たまらん!巨乳オンブ最高!。

  背中でもこの感触が味わえたのはラッキーだ!道は右へ行けばいいと思うけど


 会長は結果が解ったらしい。が一言、俺をみて言った。

「神ちゃんのエッチ!」

「えー!なんでだよ!あっ!そう言うことか・・・。ごめん!」

 俺は無意識に考えてる事もチョイスで現れるって事をワンコで知っていた。

 すごく恥ずかしくなって謝ったと同時にこれヤベーと感じた。

 俺はワンコからVCをつけてもらい、会長が正解をみちびいた左へと、みんなと一緒に歩き出した。そして無事にふもとまでたどりつく。

 あとは見慣れた道。学園まで着くのに、そう時間はかからなかった。


「俺このままワンコ病院連れて行くから、明日また学校でな」

 ワンコをおぶっている神人にバケツはろくでもないことを言う。

「神人またな~。送りおおかみになるなよ~」

「バケツ~。変なこと言わないでよ!・・・まあ、そん時は神人に責任とってもらうけど」

 ワンコ顔を赤く染めているが、まんざらでもない様子。

「さっきのチョイスもあるし、私もついていこうかニャン♡」

 なぜか神人の股間あたりを見て話す会長。

「今日は世紀の大発見だったわね!明日から楽しみだわ」

 興奮冷めやらぬ葵。

「あの~先輩、今日は楽しかったです。またみんなでハイキング等、どこか遊びに行きたいです」

 ミカンも初めての野外活動に満足気な顔をしている。

「VCて人助けが出来て凄いと思います。これは奉仕活動に役立ちそうです」

 巫女なりにVCの使い道を色々考えているようだ。


 学園入口で生徒会メンバーは解散。各自、自宅へと帰っていった。

 俺はワンコを背負い病院へ。結局、会長は心配して着いてきた。


 神人の後ろを歩くニャンコ会長。時折、独り言をつぶやいている。

(ニャンコさっきから何をブツブツ言ってんだろ?)

「神ちゃん私が怪我してもオンブしてくれるのかな。胸は小さいけど・・・」

「ニャンコ何か言ったか?」

「神ちゃん今、猫が怪我したらオンブしてくれる?」

「無理!バッタの親子みたいになるぞ。さすがに三段重ねは無い!」

「神ちゃんのばかー!もしもだよ、もしも」

「そうだな~。そん時は三段でも四段でもオンブしてやるよ!と言いたいが救急車呼ぶかなww」

「う~ん。確かに・・・」

 現実的に無理かと思うニャンコは納得した。


 ワンコを背負い病院へ到着した。受付を済ませると診察室へすぐ通された。

 処置は意外と早く終わった。ワンコの足には包帯が巻かれている。

 神人はタクシーを呼ぶか考えたが、ワンコの家まで遠くは無いので、病院を出るとまた背負った。


 夜道を歩く神人とワンコ。

「神人。重いよね?ゆっくりなら歩けるし何時いつでも降ろしていいよ」

「治療したばかりだし足に負担はかけれない。家までこのままいくぞ。そんなに遠くないしな」

 俺がそう言った途端とたん、背中の圧迫感あっぱくかんが増したぞ!

 ワンコはギューと抱きついている。

 夜で良かった。巨乳が当たるのもあるけど、コイツ良い匂いするんだよな。

 俺の息子ちんちんがソロソロやばい!だが勃起前には家についた。

「ワンコ、今日は早く寝ろよ。それじゃ明日な」

「神人ありがと。お風呂が大変だけど早く寝るよ。それじゃ明日またね」

 ワンコは家に入った。さて俺も家に帰るか!夜道をコツコツ歩き出す。


 神人の後ろをコツコツ歩く音がする。怪しいと思った神人は振り向き叫んだ!

「誰だ!」

「神ちゃ~ん。私、忘れてるでしょ?夜道だよ。女の子一人で帰すき?」

「あらニャンコいたのかwいや~忘れてたw」

「ひどいよ~。ばつとして猫もオンブして送ってニャン!」

「仕方ないか。ニャンコは軽いからお安い御用だ!」

 神人はニャンコを背負い家まで送ることになった。


「神ちゃんどう?猫おぶって何か感じる?」

「そうだな~。ゴリゴリしたものが背中に当たるな~」

「神ちゃんの馬鹿馬鹿!ワンちゃん時はエッチな事考えてたのに~」

 俺の頭をポカポカ叩きながらニャンコは嫌なことを思い出させた。

「あー!お前あれ誰にも言うなよ。とくにワンコには!変な目で見られかねん!」

「う~んどうしようかな~。明日のお昼で手を打つよ!」

「乗った!昼飯おごるから絶対言わないでくれよ」


 昼飯だけで済んで良かった。仲間うちでのVC使用は考えものだ。それにしても良い匂いはするけどワンコと違うな。と違和感を感じる神人。

 なんて言うかフカフカのベッドと煎餅せんべい布団くらい差があるぞ!

 妹のウララおぶってた時を思い出すな。そんな事を考えながら夜道をひたすら歩いて行く。


 ニャンコ会長の家についた。玄関先で会長を降ろしてやる神人。

「はい到着!それじゃニャンコまたな」

「神ちゃんあんがと!まったね~」

 会長は玄関のドアを開け中へ入った。

「さてさて家に帰りますか。かなり遅くなってしまったな。母さんに怒られるかな?」

 会長と別れ神人は自宅への道を歩き出す。

「誰かにVCで見てもらえたら母さんに怒られるか解る気もするけど。う~ん」

 自分自身に使えない不便差。誰かに見てもらうリスク。

 それを考えると巫女ちゃんが言ってた、人助けに使うのがベストなのかもしれないな。そう思う神人だった。










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