●03
「それじゃ、訓練開始! ……と言いたいところだけど、今日から内容を変えます!」
訓練の内容を変える、ということに子供たちは驚き、ざわざわと騒がしくなっていく。
「そして、私以外の人にも手伝ってもらいます」
「え、それってどんな人!?」
「今から連れてくるから待っててね」
アルマが言いその場を立ち去ると、子供たちはいっそう、騒がしくなった。新しい講師がどんな人なのか気になって仕方がないのだろう。
「えーでもやり方変えるってどんなのかなぁ……」
「短剣以外も扱うとか?」
「でもさぁ、僕たち重い武器は持てないよ?」
「軽い武器を使うのよ! 杖とか!」
「つ、杖!? この中から魔法使う人も出るの!?」
シェロの発言に、驚くキリト。今まで短剣しか扱ってこなかった自分達にとって魔法と言うものは特別な存在で、特別な人しか扱うことができないと思ってたのだろう。
「まぁ何でもいいけど私は行くの楽しみだな……」
そう言ったのは青髪のセミロングで赤い瞳が特徴のレイ。12歳だがシェロと同じく学校には通っていない。
「でもさ、四人だけだろ? 俺ら四人が選ばれればいいけど……誰か一人でも選ばれなかったら悲しくないか?」
「た、確かに……」
レイはその発言に、深く考え込むように返事をする。
発言したのはシェリ、シェロの義理の弟だ。
「でもさ、頑張ろうよ! 僕たち四人で行こうよ!」
「そうよ! 世界を救うのはわたしたちなんだからねっ!」
「……姉さん、それ大袈裟すぎ」
どっ、と、四人の中から笑いが起きる。
でもこの発言が、後に現実になることはまだ誰も知らない。
本人たちも、この世界にいる誰もかもーー。
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