第19話 大衆的オタク

 一般的にオタク層と言うのはマニア層でライト層とは言いません。ただ表面的なものだから私は敢えてライト層と使ってるんですよ。小説全体がライト層に支配されてて、その中の特定の特徴を持つ作品群を好む層がオタク層になってるだけです。ちなみにこれ女性オタクは無視しています。自分が男だからと言うのも在りますけど、それだけじゃないです。根本的に男に比べてヒットの法則がつかみにくい。おそまつさんがヒットしてますけど、あれは銀魂と言う女性オタク層に人気の高い作り手が作ってるからで、もし腐受けを過去にした事が無い男だけで企画したら果たして彼らの考えてるヒットの法則が当たるのか?は疑わしいです。まず基本男は女性オタクの好みに触れない。知的に得るものが何も無い。性別の違いだけじゃなくて確率的要素が強い。じゃ女性の作り手の企画なら?腐のポイントがまず無いと駄目。女性のアニメ漫画好きって千差万別でそれを腐で見てしまったら強引に白雪姫とか同類に見てしまうようなものです。これ腐の臭いがするなって思う落語心中とかも女性オタク層受けの指標となるBD、DVD売り上げはさっぱりです。考えてみると過去に坂道のアポロンが似たような作品でこれもヒットしていません。男が見てもこれはと思う質アニメってやつです。質アニメが売れない良質アニメって揶揄ですから売れない意味が入ってるんですけどね。


 ぱっと見マニア、コア層と見られるオタク層をライト層とするのは強引じゃないか?いやこれ私だけじゃないんですよ。20世紀のオタクと21世紀のオタクは違いがあると分析してるオタク評論家は数多く居ます。一般人とあまり変わらないオタクです。それらをライトオタクって言葉に困って言う人も居ます。コアとライトの境目が20世紀のオタクに較べて分かりにくいんですよ。作品の面白さを探ってきて本質的に今オタクってライト層の楽しみ方してると感じます。例外としてFATEのヒットがありますけど、まあ例外だと思います。空の境界を見るとなすきのこさんは90年代のクリエイターだと思います。アングラなエロゲから出てきたので分かります。虚淵さんもそうです。このあたりは結構なろうと似てる部分ありますね。ただFATEやまどまぎは明らかになろう周辺のノリと180度ぐらい違うと感じる部分があります。90年代のクソ真面目ゆえの重苦しい主人公ひきづっています。


 だから私は今のオタクをオタクたらしめてるポイントは何か?にしぼりました。コンプレックスや卑屈さみたいな部分を刺激すると当たるってのは似てます。ただね程度が違うんですよね。誰でもそうじゃないの?レベルの物しか無いです。自信満々の人なんて別にオタクと一般人なんてやらなくてい無いです。社会的には多数派でも少数のエリート成功者の層に支配されてる大衆層、ライト層に受けるポイントでもあるんじゃない?程度なんですよ。20世紀のオタク層はその大衆層の下に位置するような卑屈さがあるわけです。顕著に匂う臭さ。こういうのがさっぱり無い。ライトのライトは光のライトぐらい明るい。あくまで作品の好みからですけどね。あの90年代の陰気なノリってなんだったんでしょうね…。私がこれだと思ったのは一般人はアニメ漫画ラノベを浴びるように接しない。接した人間だけが生じる独特の慣れこそが今のオタクの本質だと見ました。このなれた状態だから楽しめる作品それがコア向けになってるだけです。


 それは過去も同じじゃないか?違うんですよね。過去のオタクは作り手ともに進化していく創作の繰り返される王道の歴史と全く同じです。コアマニアで見るより楽しみ方の本質は大衆的である。それが今のオタクのポイントであると私は見たわけです。


 過去にアメリカの俳優へのアンケートを見たのですが、大半の人間は新しい役者を見たいそうです。でも知名度の高い役者の作品の方が宣伝効果があります。明らかな矛盾なんですよね。シンプルに言えば大衆ってめちゃくちゃ筋の通ってない勝手なノリなんですよ。ただこれ満足できる方法があるんですよ。後に知名度の高くなる役者が鮮烈にデビューした瞬間です。実際知名度が重要なわけじゃなくて、知名度の高い役者は大衆を引き付ける何か?を持っていてそれで何度も起用されるわけです。スター性ですよね。大衆の矛盾を解決するポイントはスターが生まれる瞬間になります。


 なろうは漫画物語の歴史の徒花になる部分もあります。ただアニメの原作として今この瞬間は新しいスターの誕生に似てるんですよね。多分一過性で終りますけどね…。本質的な新しさがせいぜいRPG異世界のりですから。それ同じネット小説でも非なろうのSAOが確立したものですし。

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