第4話 ※R15※

※R15!緩く、性描写あります※


 「ぃやっほー!」

 「長野へ、いざ再びっ」

 「9月でも暑いかな?」


バス2台に分かれ、二校の陸上部員が乗る。

8月とは違い、普通サイズの観光バスだ。

わずかにA校の人数が少なく、女子部員は1台に集まり、俺の乗ってるバスにはC校の部員が乗ってくる。

乗ってきたのは、3年生の8人と、顧問の計9人だ。

やったね、英さんと同じバスだ。

俺は前の方に一人で座ってたから、隣に英さんが立ち止まった。

 「おはようございます。C校の笹田です。隣、宜しいですか?」

 「お、おはようございます。A校の日下です。どうぞ」

 「ありがとう」


当然、ヤジも飛ぶ。

 「久住先生、良かったね。もしかして、そのイケメン先生が恋人?」

ヒュー、ヒュー、と口笛が聞こえる。

先生は嬉しそうに応じてくれる。

 「そうだよ。皆のお蔭で、今回の合宿に来れる事になった。ありがとー!」

その言葉に、C校の顧問は慌ててる。

 「おい、もしかして…」

C校の陸上部員もヤジを飛ばしてる。

 「良かったね、環ちゃん。碧ちゃんが居なくなって、ずっと寂しがってたからなあ」


C校の顧問は、ヤジを飛ばしてる部員を睨み付けてる。

 「早朝にも拘らず元気な奴が居るもんだな。眠気と戦って欠伸をしてる奴もいるのに…」


俺と目が合ってる。

げっ、もしかして俺の事か。

 「す、すみませんっ」


そのC校の顧問がマイクを持ってる。

 「全員座ったか。それでは、自己紹介するぞ。

まずは俺から。C校陸上部顧問の芳川環(よしかわ たまき)だ。

これから4日間、よろしく」

前列から順番に自己紹介をしていくのだが…、早速、俺は頭を小突かれた。

 「大欠伸の助、欠伸君と呼ばれたいか」

 「え…」

 「眠いのは誰でも同じなんだよ。とっとと自己紹介しろ」

 「は、はい」

英さんからマイクを渡され、俺は自己紹介をした。

 「A校2年、短距離の日下夏生(くさか なつお)です。よろしくお願いします」

 「別名、欠伸君だな」

 「え、なにそれ」

 「欠伸ばっかりしてるからだ。皆の自己紹介が終わるまでは起きとれっ」

 「はっ、はい」

 「英。欠伸野郎の瞼がくっ付いたら、抓って起こせっ」

 「はい。頬っぺたや鼻を抓んでやります」

笑い乍ら英さんは即答してるが、俺は文句を口にしようとしていた。

 「えー」


 「甘いっ。乳首だ」

一斉に皆が驚きの声をあげた。

 「は?」

その顧問は、ニヤ顔をしながら言ってくる。

 「誰でも、乳首を抓られると目は覚めるからな」


 「いいっ!!!!!」

バカでかい声が聞こえた。

 「だ、誰が、俺の胸を」

だが、その顧問は言ってくる。

 「ほら、こいつの様にな。それに胸ではなく、乳首だ」


お兄ちゃん、寝てたのか。

 「分かったな、英」

英さんは即答していた。

 「はい、乳首にします」

俺は、その言葉に即答していた。

 「え、そんなっ」

 「嫌なら起きていようね」

それに、堂々と触れられる…。

と、小声で付け足してくれる。

その言葉を聞いて、俺は真っ赤になっては顔を俯いた。

すると、誰かが聞いてる。

 「先生、2人とも寝たら、どうするんですか?」

 「大丈夫だ。その時は俺が抓ってやるから」

 「え・・・・・」


だから、寝ずに起きていたよ。

だが、時々、その痛みにハッとさせられていた。

隣では英さんが微笑みながら、俺の胸を触っている。

いや、それはね・・、堂々と触れられるのは良いよ?

良いのだけど、こういったのは…。


 「いっ…」

 「っ…」

 「んっ…」


誰の声なのかは分からないが、同じ様に乳首を抓られて起こさせられてる人がいる。

だって、朝は早かったんだよ。

胸を触られては気持ちがよくなり、眠気が襲ってくる。

…っ。

英さん、もしかして俺を眠らせようとしてる?

俺の胸を優しく包み込んでくる掌。その掌は優しく撫で回してくれる。

時々、俺の乳首に触れてくる。

感じてしまうよ…。

遂に、声を出してしまった。

 「止めて、寝てしまう…」

 「思いっきり抓りたい」

 「意地悪っ」


英さんの手や指は、動きを止めようとはしない。

暫らくすると、遠くで声が聞こえてくる。

 「お前等、起きとるか?注意事項、及び今日やる事を言うからなっ」



 「あああああっ!!!!!」


ビクッと、身体が揺れてしまった。

え、なに……。

誰だよ、この声。


顧問の声が聞こえる。

 「碧っ。顧問であるお前が部員より先に寝てどうするっ」


C校の環先生は、恋人である久住先生に何かをしたらしい。

 「まだ寝てる奴は居るか?」


俺達のA校の顧問である久住先生は、下半身に手をやっては環先生を睨んでる。

 「たーまーきー・・・・」


もしかして、この環先生は…。

怒らせたら怖い事になりそうだ。

もう少し我慢して起きていよう。

もちろん、寝ていた奴等も居たようで、同様に下半身攻めをされては起こされていた。

その環先生は、皆が起きてるのを確認しては注意事項等を言ってくる。



そして10分後。

長野に着くまでの約2時間半は、就寝タイムになった。



  

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