第44話 哀しい
季節は梅雨時に入っていた。良太たちは学校過ごす。
公太「まだ、あいつは捕まらないのか!!」
良太「そうだね」
美紀「警察も大変みたいね・・・」
公太「あれはやばいやつだ!!そのままにしといちゃいけない!!」
良太「公太・・・」
公太「もうこうなったら・・・俺が捕まえてやる!!」
良太「そうだな・・・俺も手伝うよ」
アルゴ≪やめろ!!関わるなと言ったはずだ!!そのバカも止めろ!!≫
良太≪でも・・・≫
美紀「危ないよ・・・警察にまかしておこうよ」
公太「けど」
良太「公太・・・やめよう・・・」
公太「良太・・・」
良太「・・・なんか・・・関わっちゃいけない気がするあいつには」(アルゴが・・・言うし)
公太「・・・」
学校で授業を受けていると、他の先生が駆けつける。
先生「ちょっと良太君、職員室でお話が!!」
良太「えっ?」
美紀「えっ?」
先生「いいから、急いで!!」
公太「・・・」
職員室に行くと先生から説明が始まる。
先生「落ち着いて・・・聞いてね」
良太「は・・・い」
先生「あなたのおじいさんが・・・危篤みたいなの」
良太「えっ?」
アルゴ≪落ち着け・・・まだ危篤だ。死んではいない・・・≫
良太≪え・・・≫
先生「すぐに家に帰っていいから・・・お母さまが待ってるわ」
良太「・・・わかりました。」
授業中の教室へ良太が戻る。帰り支度をする。
良太「・・・」
美紀「良太くん・・・大丈夫?」
良太「うん・・・大丈夫」
公太「・・・良太・・・・」
良太「帰らなきゃ・・・」
公太「あぁ、早く行け・・・」
美紀「・・・」
良太は急いで家に帰る。
良太「おかあさん・・・」
母親「すぐに行くわよ良太!!」
良太「うん」
電車に乗り、おじいちゃんのところに向かう。
良太(・・・・大丈夫かな・・・大丈夫だよな・・・)
アルゴ(データが足りなかったが・・・あの時・・・そうか)
おじいちゃんの病院へ着く。おじいちゃんがベットに横たわっていた。
母親「おとうさん!!」
おじいちゃん「・・・よく・・きたな」
良太「おじいちゃん!!」
おじいちゃん「りょうた・・・か・・・おおきくなったな・・・ほんとに」
良太「まだ・・・おおきくなるよ・・・だから見ててよ・・・」
母親「そうよ・・・まだ」
おじいちゃん「・・・そうか・・・」
「良太・・・言っとくぞ・・・」
「悪いことは・・・・・・・・・・・しちゃいけないぞ」
「人の為・・・・・になること・・・・をしなさい。」
良太「わかってるよ、おじいちゃん!!」
おじいちゃん「そうか・・・そうか・・・」
心電図の機械からお別れのブザーが鳴る。病室に医師が駆け込んでくる。
医者「診ます!!ちょっとどいてください!!」
良太「・・・」
母親「・・・」
葬儀が行われることになった。
あっという間に時間が流れていく。それを見ている、良太の感情は動かない。
良太「・・・」
アルゴ(・・・感情が動かないな・・・思考も・・・)
良太は一人おじいちゃんの将棋盤を持ち出す。良太は涙がとまらなくなる。
良太「これ・・・これが・・・うううう」
アルゴ≪そうだな・・・≫
良太「いっぱい・・・思い出がつまってるんだ・・・これには・・・」
アルゴ≪そうだな・・・目に見えないが・・・詰まってる≫
良太「ううううう、おじいちゃん・・・・・」
葬儀もすべて終わり。布団でアルゴと話す。
アルゴ「・・・」
良太「アルゴ・・・今日の感情はかなしいだよ」
アルゴ「そうだな。悲しいだな・・・心ここに非ずだからな・・・」
良太「違うよ・・・そっちじゃない」
アルゴ「うん?」
良太「哀しいだよ・・・愛が哀に変わったんだ・・・だから、哀しい」
アルゴ「そうか。哀しい。覚えとく」
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