第42話 緊張

良太はその日、おめかしをしていた。家で支度をする。

良太「緊張するよ」

アルゴ≪・・・大変だな・・・≫

良太「髪型はどうしようかな?」

アルゴ≪坊主にすれば、いじりようがなくて楽だぞ≫

良太「あぁ・・・服はこれで大丈夫かな」

アルゴ≪・・・≫

母親「良太、これ持って行ってね♪」

良太「はい」

母親「大丈夫♪そんな緊張して♪」

良太「だ、だ、大丈夫だよ!!」

アルゴ(空回りするな、これは)


良太は紙袋を持って歩いていく。良太は極度に緊張している。

良太「・・・」

アルゴ≪着く前に死にそうだな≫

良太≪だめかもしれない・・・≫

アルゴ≪空回りするな、きっと≫

良太≪不吉なこと、禁止!!≫

アルゴ≪じゃあ、うまくいくさ♪別の意味で♪≫

良太≪明るいけど・・・・なんか、違うーーーーーー!!≫


美紀の家の前に着く良太。家にはアトリエがあった。

良太「ふぅ~」

アルゴ≪大きく吸って、吐いて~≫

良太「はぁ~」

アルゴ≪吸って、吐いて~≫

良太「ふぅ~、はぁ~」

アルゴ≪では、レッツゴー♪≫

良太「うん!!」


美紀の家のチャイムを鳴らす。

チャイム「ピンポ~ん」

美紀「はい♪」

良太「お待たせ♪」

美紀「上がってくださいまし、良太くん///」

良太「うん///」

美紀(あぁ、今日はなんか雰囲気が違う。あぁ、こういうのもいい)

  (あぁ、今日は大切な日。あぁ、だって、これは)

  (私と良太君の結婚記念日!!)


違います。結婚できません。あなた達の年齢では無理です。


美紀の家に上がると、美紀の父親と母親が待っていた。良太は母から渡された紙袋を渡す。

良太「これ、つまらないものですが」

アルゴ≪つまらないものをあげてはいけない。失礼だ。すぐにひっこめろ!!≫

良太≪そういう、意味じゃないーーーーーーーーー!!≫

父親「ありがとう♪」

母親「あら、わざわざありがとう♪」

美紀(あぁ、着々と進んでいくは結婚へのロードが)



リビングで四人で話す。父親は良太のことをみる。

父親「う~ん。いいね♪」

母親「あら、パパは気に入ったのね♪じゃあ、大丈夫かしら♪」

美紀「そりゃ、良太君だから♪」

良太「えっ?」


美紀は説明を始める。

美紀「おとうさんはね、共感覚って言って、人の色が見えるんだよ」

良太「共感覚?」

アルゴ≪刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象だ。 例えば、共感覚を持つやつには文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする。それをこいつは人で感じるってことだろう≫

良太≪ありがとうございます!!≫

美紀「で、それを絵にかいてるの♪」

良太「えっ?画家ってことですか!!」

父親「そうだよ♪しがない画家です♪」

母親「まぁ、このぐらいの生活できるくらいのね♪」

良太「すごい・・・」(だから・・・末永さんは・・・美術に詳しかったのか・・・)


父親から話がある。

父親「なんか、書きたくなってきたな・・・ちょっといいかな」

  「良太君借りて」

美紀「・・・しょうがない・・いいよ」(あとで絵をもらおう)

良太「えっ?」

父親「君をモデルに絵を描きたいんだ。あっちのアトリエに来てくれ」

良太「・・・はい」

アルゴ(・・・間違えてる・・・こいつを絵にしても華がないぞ)


アトリエで良太の絵を描く、父親。良太をモデルに絵を描いていく。

父親「あれ・・・やっぱり」

良太「どうしたんですか?」

父親「いや、初めてなんだけど・・・君には今、色が二つある」

良太「えっ?」

父親「なんだろう・・・時計・・・時計のところが色がつよいな」

良太「・・・」(アルゴのことかな・・・)

  「できれば、この時計だけでの絵も描いてもらえませんか!!」

父親「えっ?」

良太「この時計は大事な時計なんです・・・だから、時計だけで書いて欲しくて」

父親「いいよ♪」


そうして、あっという間に一日が終わってしまう。

父親「いつでも、遊びにきていいからね」

母親「大歓迎です♪」

美紀「じゃあ、またね///」

良太「また////」


美紀の家から良太が帰っていく。父親に話しかける美紀。

美紀「おとうさん・・・・描いた絵はどこにあるの?」

父親「えっ・・・アトリエにあるけど」

美紀「その絵は、私が買い取るわ!!」

父親「・・・いや・・・あげるよ」

美紀「ありがとう!!」

父親(たまにうちの子は、どす黒い色をだすな・・・)

  (それにしても・・・どくろの時計か・・・あの絵をあげちゃったのは)

  (失敗だったかな・・・あんな色を出してるなんて)

  (いい作品だったのにな・・・・)


布団でアルゴと話す。

アルゴ「俺をモデルにするとは、あいつはなかなかわかってる」

良太「そうだね♪あの絵は僕もお気に入りだよ」

アルゴ「家宝にするべきだな♪」

良太「そうしよっかな♪」

アルゴ「で、今日の感情は?」

良太「緊張かな・・・やっぱり・・・彼女の家に行くのは緊張する////」

アルゴ「緊張か。覚えとく」

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