第1話 始まり

少年は引きこもる。部屋に。春の暖かい陽気の中、こもる。

どれぐらい、家をでていないのかわからない。中学一年生。

良太(今日も、インターネットでもしてよう・・・もう外に出たくもない)

  (あぁ・・・ゲームも飽きた・・・何回もクリアしたからな)

  (プラモを分解してまた作ってそれも飽きた・・・)


部屋のカーテンを閉め切り、パソコンの電源をつけ、インターネットを楽しむ。

良太「また、あほなニュースが・・・こんなばっかだな」

  「ほんと、悪い奴ばっかだ・・・」

  「どいつもこいつも・・・」


良太は自分のメールに1件見知らぬメールが入っていることに気付く。

良太「なんだ・・・これ?」


メールの件名にはふざけたことが書いてあった。

「件名:君にこれを作れるかな?天才君?」


良太は件名に対して、鼻であしらう。

良太「ハッ。何が天才君だ!!ふざけて・・・いたずらメールにもほどがある」


良太はインターネットを続けるが、さっきのメールが気になる。

良太(なんだろう・・・あれ・・・暇だな・・・頭に入ってこないな・・・情報が・・・)

良太「あぁ、くそーー!!やってやるよ」


良太はメールを開く。

メール「アルゴの作り方」

良太「アルゴってなんだよ。まったく」


中にはびっしり図面と必要なものが書いてあった。

良太「おもしろそうじゃないか!!」


良太は部屋からでて、物置をあさる。中にはジャンクパーツがたくさんあった。父の趣味である。

良太「これと、これと」


良太は一通りのものをそろえ設計図面通りに作り出す。

良太「ここをつなげて・・・これを切って・・・」


ずっと集中して作る。プラモを作るような感覚だった。そして、物ができあがる。

良太「・・・腕時計・・・どくろの顔がついてる・・・悪趣味だな」


腕にはめ、そして、最後の指示にしたがう。

良太「これをパソコンにつないでっと・・・ファイルを実行する」


腕時計にプログラムが流れ出す。

良太(なんのプログラムだろう?)


しばらく、待つとインストールが完了する。

良太「終わったのか・・・」

アルゴ「なんだ、ここは?」

良太「!?」

  「と、時計がしゃべってる!!」

アルゴ「時計ではない」

良太「えっ?」

アルゴ「人工知能だ!!俺は!!」

良太「じ、じ、人工知能!?」

アルゴ「お前が俺を作ったのか?」

良太「・・・そうだけど」

アルゴ「やけに部屋も暗いな・・・引きこもりか?」

良太「お前に関係ないだろう!!」

アルゴ「関係する・・・これから俺はお前と共に行動しなくちゃいけない」

良太「な!?」

アルゴ「無理に外そうとするなよ!!爆発するから!!」

良太「えっ?なんだってーーーーーーーー!!」


良太はその場に座りこむ。

良太(え・・・・爆発・・・これを外せないの・・・一生?)

  (こんなダサい時計を外せない・・・終わった・・・なんでつくちゃったの?)

アルゴ「おい!!」

良太「なんだよ!!今考えてるんだ!!」

アルゴ「どうでもいいが、お前外にでろ!!暇だ!!」

良太「うるさい!!知ったことか!!」

  「機械の分際で人間様に!!たてつくな!!」

アルゴ「お前の飼い主だ、俺は!!」

良太「なっ!?」

アルゴ「なぜなら、お前の生殺与奪権せいさつよだつけんを持ってるからな!!逆らえば自爆して終わりだ!!」

   (しないけどな、そんなこと)

良太「くそ~~~~!!」


そうして、奇妙な時計との共同生活が始まる。

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