3話
クララの病室でマーヤが絵を描いて過ごしていた時の事。
姉の寝顔を描いて、なかなかご満悦の様子で絵とクララの顔を見比べていた。
その時ベッドの横に置いてある、姉お気に入りの地球儀が視野に入っていて、音もなくクルッと回った気がした。
彼女が見た時は止まっていて気のせいかと首を傾げたが、何と無く正面の大平洋が向いているのを、クルッと回してスウェーデンを正面にして、これでよしっ!と満足してまた似顔絵を描き続けた。
帰宅時間を母親に呼ばれるまで気づかず、病室を出る際何気なく地球儀が目に留まった、でもなぜか解らないままその日は帰った。
翌日も学校帰りに姉の病室に立ち寄った、ふと地球儀を見て黙り込む。
それから、
「あれ?」
昨日とは違和感があった、何か違うのだ。
「何だっけ?」
またその時は思い出せず、妹は昨日の続きで似顔絵の顔周辺に姉の大好きな花を描いた。
クララはまた夢を見ます、
今度は自分が寝ている時、立ち鏡からクルンが出てきてベッドの横に腰かけたので、クララは挨拶しました、
「クルン、また会えたね」
「こんにちは、今日はどうしたの?」
「よく分からない、体が言うことを効かないみたい」
「それは大変、起きられない?」
クララは自分で状態を起こそうと試みるけれど、なぜか起きられません。
「ダメみたい」
「私は元気だけど残念、これじゃ海に連れてって貰えないね」
「ゴメンなさい」
「気にしないで、今度の楽しみにしてる」
「また今度だね?」
「うん、じゃあお大事に」
クルンは部屋を出ていきました。
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