第28話 Kick start My Heart!!!!

砂漠から続くルート1129を抜けて、海岸沿いルート1134へ。

ならず者たちの追撃をかわし、ピーターはISO港に向かっていた。

レストアした4輪バイクは快適とは言い難いが、それも今日まで。

早朝の風が心地よい。


軍港であるISO港には帝都軍の空母シャルンホルストが就航し、

甲板に16機のエアロスピーダーが駐機していた。


ピーターは軍を辞める時に、自分の乗っていたエアロスピーダーに細工をしていた。

通常、帝都軍のスピーダーは搭乗者のIDを認識し起動するが、ピーターは自機のID認識コードを改竄し、正規のコード以外にもピーターが設定したコードで起動可能なように改造したのだ。


軍港近くの丘から かつての自機を確認すると、弾丸状の起動シグナルを打ち込んだ。

起動音、続いてエグゾーストからの吸排気音。


手元の携帯端末でオートジャイロ機能に設定、垂直に浮かび上がったあとフェンスを超え、ピーターの手前に着地した。新たな空賊の誕生の瞬間である。

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