第22話 Maxwell marders(帝都防衛隊と対峙)

彼らのことを知らないものはいなかった。Division AKでは名のしれた鎮圧請負業、「Maxwell marders」

オーナーのマックスは軍人で銃器のスペシャリストだった。今は現場に出張ることはまずないが、ネゴが必要な場合や困難な相手の場合には現場に現れた。


近々、帝都防衛隊のガサ入れがある、という噂が流れ、AK商店街は用意周到にマックスに依頼した。防衛隊を返り討ちにするための算段だった。

いわば言い掛かりがほとんどだが、帝都防衛隊もパトロールやガサ入れと称して、非正規任務で市民から略奪を繰り返していた。

非正規な任務であれば、返り討ちにされても表沙汰になることはなかった。防衛隊も体裁を保つためだった。

とは言え訓練を受けた軍人を相手に戦うとなるとなかなか骨が折れることに代わりはなく、鎮圧屋という生業が成立する所以であった。


鎮圧屋のシステムはこうだ。1週間更新で鎮圧士を派遣する。基本的には店舗の規模で人数が決まる。

いつもガサ入れがあるとは限らないので、鎮圧士は営業の手伝いをして、日常は過ごす。つまり、かなり腕の立つアルバイトを雇うような感じである。マックスの派遣する鎮圧士はかなりの手練れだった。


今回のミッションで派遣された鎮圧士は女性でVixen(女狐)と名乗っていた。

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