第15話 Dr.FEEL「MAD」

サイボーグ化に当たっての意思確認は、本人が脳死判定を受けていない場合、

必ず2人以上の医師の承認、本人の意思表示が必要であるが、箱舟からもたらされたテクノロジーを闇医者たちは商売にすることを選んできた。

つまり、上記のような規定が守られるのはあくまでもタテマエで、事故に遭った患者や、特に意識のない者は、闇医者にとってはただの商品でしかなかった。

うっかり交通事故に遭って運ばれた病院や(ひどい時には路上で)本人が意図しないサイボーグ化によって、ひたすら手術費を払い続けるという地獄が待っていた。


クレジットを払うためにサイボーグにしかできない仕事にありつくというのはこの世界では自然なことだが、いわゆる建築や解体などの仕事は供給過多により賃金はわずかしか手にできなかった。

なかには更にサイボーグ化を進めて「Motorhead」に参加する者も少なくなかった。

優勝すればクレジット完済しても余裕がある生活を送れることを夢見るものが多く集まるようになっていった。

しかしあまりにも過酷なレースの為、クレジット完済はおろか、途中で命を落とす者もいる。

一攫千金か、死か。究極の選択がまっているのだ。

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