第5話 the rainmaker

天気雨。狐の嫁入り。


ニコラス ゼクスは依頼を受けて気象を操る生業、(実際には雨だけではないが)通称レインメーカーだ。


もともとはモトバイクからエアロスピーダーバイクまで、特にスピードの出るものなら何でも乗りこなす少年だった。レーサーとしての活躍を嘱望されていたが、先天的な角膜の異常により、左目は色彩を感じ取れない。17歳の時に症状が現れ、自暴自棄になった彼は自分の存在意義を見出すために、過激な行動に出る。ニコラスは有名人であったために彼を模倣し、名を語る輩も現れ、怒った彼は自身がオリジナルである、という意思表示から、全身にタトゥーを入れることになる。


悪友たちにそそのかされて、スリルを味わうためにいろいろなことをやった。

音響関係の機材、いわば楽器をクラフトガレージから盗み、売りさばいたり、ストリートでのチキンレースで命知らずな走りを見せたり、ただ、満たされない日々に、次第にアルコール、ドラッグなどにのめり込んでいった。


ある日、ドラッグとアルコールを過剰摂取した状態でストリートレースに現れ、エアロスピーダーバイクの上で心停止する事態が起こる。暴走するバイクに自機を当てて止めたのはストリートでは伝説と言われた男、ステファン タイレルだった。


後に、命を取り留めたニコラスは、タイレルの勧めもあって、レインメーカーの仕事を始めることになる。頼まれればどこにでも飛んでいき、ハロゲン弾、「セブンティーン」を散布、雨を降らせたりする生業だ。

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