16.4.11リリース分のお知らせとノート(潮汐質量補償作用について)
はい、加筆しました。
主に加筆したのは「第11話 横須賀製作所MU秘史」について。MUの浮上のための理屈を追加。
>>加筆部分ここから(第11話に追加)
「ええっ、リニアなんですか」
「当時は国鉄でマグレブ方式のリニアと、日航でHSST方式のリニアが研究されていたが、実はもう一つの方式があった。それが潮汐質量補償作用を使う浮上だ」
「なんですかその潮汐なんとか作用、って」
「まあ、詳しく話せば長くなるけど、地球の重力場の小さな歪みをうまく利用して物体を浮かべる装置だ。量子もつれ不等式は最近講演された話題なのに、何故か彼らはそれを先取りしていたんだ。どうやら大戦中の『二号研究』や海軍の『F研究』といった日本での原爆開発計画に関係するらしい」
「そんなことが」
「理論的な可能性研究からなんとか遠心分離器の設計にたどり着いただけで終戦だったが、彼らは理論研究の中で量子もつれ、重力の発生に近づく理論に行きついていた。戦後、占領下で実験機器の処分が行われたが、物理学者の脳までは破壊できない。むしろ彼らは極秘のうちに不屈の精神で思考実験を繰り返し、量子力学にたどり着いてもそれを秘密とした。そしてその後、それをリニアの開発に使ったんだ。これが当時彼らが作った試作機」
「でかっ、大きすぎます! 全然鉄道車両に収まらない!」
「家一軒ぐらいありますよ。しかも変電所から受電してるじゃないですか!」
加筆部分ここまで>>
【研究ノート】
うう、カクヨムはクロームとGoogleIMEの組み合わせだと遅い……。結局Edgeを使うハメになるという。
で、しかも今回はSFとしてのMUの浮上原理の理屈付けですが、はい、もろに嘘です。戦争直後に量子力学で量子もつれまで行ってたら日本の物理学は超チートだと思います。でも、今回使ったロジック「戦後は実験機器壊されたので、その間に思考実験がやたら発達して、しかも壊された恨みでそれを公開しないでヒミツにしたままだった」っていう言い訳、いろいろ汎用性あるかもしれません。というか彼らの不屈の研究姿だけで美味しいSF短編が書けそうです(ダメSF脳)
でも、量子力学、ワームホールにテンソル注入してこじ開けるとか、超弦のスピンを使った大統一理論やホログラフィー原理なんかはうちはさんざんSFのネタにしてましたので、これでそういうのがますますやりやすくなりました。ええ、『理解不十分』かつ『独自の研究』です。知ったことか。だって私、物理学者じゃないもん。所詮、それっぽければいい小説書きですよ。しかも金にならない。む~。
とりあえずバックツーザフューチャーの1.21ジゴワット(ギガワットの間違いだったの説あり)と同じく、とりあえずでかい電気ぶち込めばなんとかなるんだよ! で変電所直結の質量補償実験装置にしてしまいました。うーん、どうやって繋いだかなぞですが、それは美術さんが頑張ってくれるでしょう。がんばれー(他人事化)
といいつつ、今別件の模型作りで変電所の構造の理解でしんどいわけですが。あれ、三相交流なので系統別にそれぞれ3つ断路器をあっちゃこっちゃに作って、それで変圧器と遮断器をサンドイッチする感じなんでしょうか……って、この程度の理解だから、このエピソードをあんまり真に受けすぎないでくださいね。マジで。これは小説ですから!SFもフィクションのうち!
でも、ほんとにMUが実現したら楽しいでしょうね。ちょっと夢が開けちゃうかもしれません。量子もつれを制御できれば、ねえ。ちなみにうちのSFでは重力子という機械を使った人工重力も書いてますが、あれとは微妙に違うものとご理解いただければと存じます。
私、こういうMUみたいな飛び方をする睡眠夢を頻繁に見ていたんです。吉夢っぽいけど現実逃避だったという解釈もあってあうう……。
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