第41話 ミステリーの書き方がわからない!

 反省文                  



 今月のテーマは「ミステリー」ということで、仕方なく書いている私は、底辺も底辺な作家とも呼べないような物書きである。


 なんで書いているのかは、頭の老化ぼけと、無口なタイプであるがゆえに、言葉が心につもりにつもり、それをこうして吐き出してストレス発散している。


 だから、詩でもブログでもエッセイでも、書ければなんでもいいのだが、どうして小説という全く未熟な分野に手を出してしまったかはよくわからない。そうそう、今月のテーマは「ミステリー」だった。小説なんてほとんど書いたことがない私にとっては、全くわからない世界で、最初は「ミステリーとは何か」ということをネットで調べるところから始まった。


 ミステリーといえば、「過去に起こった事件」「謎」「トリック」という三大要素がわかり、私もなんとなく書き始めた。しかし、人が殺されるという状況が小説でも嫌なために、難航し、設定は「自殺」ということにして、「自殺」するならばどんな理由があるか考えていたら、妙なストーリーになってしまった。


 しかも「ミステリーは謎だ!」と思うばかりに、謎ばかりばら撒いて、その回収が全くできないことに、知らぬ間の動揺が私の中に走っている。そして、「トリックは?」というと、叙述トリックらしきものは入れたつもりだが、全くそれが成り立っていない。そして、本物の推理作家が書くような「トリック」は全く使われていない。


 それなのに、公開してしまい、後悔している。・・・なんて駄洒落を言っている場合ではない。誰を犯人にするか悩んで、犯人にしたものの、とってつけたような犯人の仕方になってしまい、また物語の最初に戻って、犯人を登場させて、伏線をはる。それでも足りないと思い、また前に戻って伏線をはる。ラブシーンはあったほうが盛り上がるかも・・・と思い、前に戻って書く。新たな犯行が起ころうとしたときに、またとってつけたように犯人が出てきそうなので、前に戻って伏線をはる。


 こうして、公開しているのにもかかわらず、私の話はどんどん変わっていってしまう。締め切りの12月末日には違ったストーリーができあがっているのに違いない。

素人は手をだすものじゃないと思った「ミステリー」。書いているうちに内容も暗いので、落ち込んでくる。このまま、やめて、次の「時代」のテーマにいったほうがいいのかなと思う日々である。


 人によって、書けるものと書けないものがあることがよくわかっていなかった誤算だった。底辺の底辺のものを書いている人は自己満足の世界で、好きなものを書いていればよかったのだ。誰も読んではくれないのだから・・・。


 とはいうものの、書き始めてしまったがために、私は今日も、「こんな謎をまいてしまったのか」と知らぬ間の動揺を感じつつ、謎の回収に走っている。勉強しなければ書けないものに手を染めてしまった自分が嘆かわしい。


 書くことですっきりした。


(お題:知らぬ間の動揺 制限時間:30分 文字数:1247字 )

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