円城寺猛 〜エンジョウジタケル〜
3月12日
プロジェクトルームではまだ朝7時だというのに9時10分からレッスンがある円城寺猛さんが実家から1時間近くかけてやって来てテレビをつけてレッスン時間までテレビを見ていた。
『マジックガールズ! このあとすぐ』
「もうそんな時間か」
テレビから聞こえた女児向け魔法少女アニメのジャンクションを聞いて時刻を見ずに仕事をしていた僕は猛さんがテレビを見始めてから1時間半が経ったことを知り、休憩のため仕事の手を休めた。
「今日はマジックイエローの登場回だったよね?」
「プロデューサーもハマったか」
「ハマったというよりは今週の話が気になっていただけだよ」
というのも、先週も猛さんが今日と同じチャンネルで同じ番組を見ていたので一緒になってみていたら『マジックガールズ!』の次回予告がどうしても気になる終わりをしていたので僕はこのあと放送される話を早く見たいと思っていた。
「予告に出ていたマジックイエローの顔や声が明らかにマジックピンクの子たちが通っている学校の生徒会長の子と同じなのに今週のタイトルが『ダレなの? マジックイエロー』だったから」
「プロデューサー、そんなタイトルはよくあるよ。例えば、その時の話で主人公たちが追いつめられているのに次回予告で『大勝利! 究極の救世主』みたいなネタバレ予告もあるくらいだし」
既婚で中学生の娘のいるいい大人である僕と4月に高校2年生になる猛さんとでそのような話をしながら『マジックガールズ!』の第3話を視聴すると第3話は衝撃の展開を迎えた。
「プロデューサー、俺は今レッスンを休んでまで語りたい気持ちでいっぱいなのだが」
「猛さん、僕も同じ気持ちだけど、レッスンが終わってから語り合おう」
マジックイエローの正体は僕と猛さんの予想していた生徒会長の子ではなく、マジックガールズに変身するための魔法の力で姿や声を憧れである生徒会長の子に変えた生徒会副会長の女の子だった。
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