文月映司 〜フミツキエイジ〜

 クリスマスライブまで残り2週間となり、僕も含めたアイドルは皆、激しく厳しい練習を行っていた。


「ふぅ~、疲れた」


レッスンルームの壁に背中を預けスポーツドリンクを飲んでいると、レッスンに来た大人組のアイドルが持ってきた差し入れが目に入った。


「美味しそう」


 レッスンで疲れているからか、差し入れ置き場に置いてある食べ物はどれも美味しそうに見えた。


「1つくらいなら良いよね?」


僕はその誘惑にまんまと乗ってしまった。


「ん~ やっぱり美味しい」


 1つ食べた僕は別の差し入れ、また別の差し入れへと手が伸びて行ってしまい、最終的に全ての差し入れを1つずつ食べてしまっていた。


「文月! レッスンの時間追加だな」


 トレーナーさんは他のアイドルのレッスンをしながらも僕の行動をしっかりと見ていたようで、大声でそう告げられた。

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